「松本人志のいないM-1」はいつまで続くのか…転落した「笑いのカリスマ」が審査員席に戻るための唯一の方法
■あえて「松本人志」の名を隠して裏方に徹する そうした懸念を避けるアイデアとして、ひとつ有用と思われるのが、「裏方」としてのYouTube活動だ。松本さんは漫才やコントといった芸人像にとどまらず、『遺書』『松本』などのベストセラーや、「チキンライス」の作詞など、文筆家の一面もある。短文を反射的に投稿できるSNSには向いていないが、チームとして企画づくりに携わる形であれば、その才能を生かせるのではないか。 本名ではなくペンネームを用いて、顔を出さずバレないように、スタッフとして活動する。大御所ではなく一兵卒として、実績を積んだ上で、しかるべきタイミングで「ネタばらし」をする。おそらく、その際にも批判は噴出するだろうが、「松本人志ではなく、その才能が評価されている」となれば、復帰後の受け入れられ方も変わってくるだろう。 とはいえベストは、記者会見のような公の場で、一方通行ではなく報道陣との双方向により、本人の口から「どこまでが事実で、どこまでが虚偽と考えているか」を早期に語ることだ。主張する「虚偽」の内容によっては、文春側がさらなる動きを示すことも考えられるが、それはそれで潔白を示すチャンスとなる。疑惑がくすぶっている現状、「沈黙は金」とは言えない。そこを解消することが、復帰への最短ルートだろう。 ---------- 城戸 譲(きど・ゆずる) ネットメディア研究家 1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ニュース配信会社ジェイ・キャストへ入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長、収益担当の部長職などを歴任し、2022年秋に独立。現在は「ネットメディア研究家」「炎上ウォッチャー」として、フリーランスでコラムなどを執筆。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。 ----------
ネットメディア研究家 城戸 譲