「松本人志のいないM-1」はいつまで続くのか…転落した「笑いのカリスマ」が審査員席に戻るための唯一の方法
■「テレビを自由に動かせる」イメージを与えてしまった ここに、長年ネットメディア編集者をしてきた筆者から、「SNS時代の情報発信」の観点を掛け合わせたい。スキャンダルをめぐる一連のXポストを見る限り、松本さんはSNSにあまり適していないように感じる。お笑いの第一線で活躍して、「瞬発力」を求められてきたからなのか、先走って投稿してしまう傾向が見受けられるのだ。 たとえば「ワイドナショー出まーす」の件では、当初フジテレビは次回放送への出演を認めていたが、最終的に吉本興業と協議のうえ、取りやめとなった。松本さんは「休業前の顔見せ程度」としていたが、それがかえって、視聴者に「芸能界は自分の思うままに動かせる」といった偉ぶったイメージを与えてしまった可能性は高い。もしXでの予告がなければ、松本さんの出演もあり得たのではないか。 「とうとう出たね。。。」についても、本来であれば自身の言葉で説明すべきことを、メディアに代弁させたような読後感を残す。公の場に現れることがないまま、一方的に主張しているような印象となったのが、より「問題が解決していない」と感じさせる要因だ。同じく渦中にある小沢さんが文春報道以来、まったくXを更新していないのと対照的である。 ■白黒はっきりつけたうえでテレビ以外で実績を積む では、ここから復帰するとすれば、どのような形が望ましいのか。年末年始特番での「サプライズ復帰」も不可能ではないが、世間からの風当たりを考えると、現段階で踏み切るテレビ局はほぼないだろう。 先にも言ったように、筆者としては「白黒はっきりつける」ことが、復帰の前提となると考える。ただ、そうではない道を探るとすれば、テレビ以外の場から、ジワジワと実績を積むしかないのではないか。 まず考えられる選択肢は、インターネット上の動画メディアだ。吉本興業の闇営業問題では、元「雨上がり決死隊」の宮迫博之さんがYouTuberに転身して、大きく話題を呼んだ。しかし5年たった今なお、テレビに本格復帰したとは言えない状況だ。そこには「早期復帰するためにテレビよりYouTubeを選んだ」といったネガティブイメージが、多少なりともあるだろう。