「松本人志のいないM-1」はいつまで続くのか…転落した「笑いのカリスマ」が審査員席に戻るための唯一の方法
■「年内復帰」は絶望的 しかし、もうすぐ1年が経過する12月中旬でもなお、記者会見も含めて、書面やSNS投稿以外で「松本さんの声」は発されていない。Xも一時は、「ポスト、リポスト普通にしょうと思ってます。当たり前の権利やし」(7月14日)と宣言して、親交のある芸能人らと交流を再開していたが、いつしかフェードアウトしていった。 そして11月8日に出されたのが、松本さんの代理人弁護士による「訴訟に関するお知らせ」だ。松本さん側は、名誉を傷つけられたとして、『週刊文春』発行元の文藝春秋などを相手取り、5億5000万円の賠償などを求める争いを起こしていたが、それを取り下げるとの告知だった。 文面では「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認」したと説明。「松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました」と認めつつ、「相手方との間において、金銭の授受は一切ありませんし、それ以外の方々との間においても同様」だとした。 当時の一部報道では、「年内に視野を入れた芸能界復帰も見越しての判断では」といった見立ても伝えられていたが、現在のところ、それは実現していない。松本さん自身は3月25日の段階で、「世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです」と投稿していたが、見通しは不透明だ。 ■「松本人志で笑っていいのか」と視聴者は引っ掛かる それでは、なぜここまで長期化しているのか。それはひとえに「事実なのか、虚偽なのか」に決着が付いていないことにある。報道直後は「事実無根」としていたが、11月時点では「会合の出席」については認めている。これらの整合性もふくめて、勝つにせよ負けるにせよ、「客観的な事実関係」を明確にする必要があったのではないか。 最高裁まで行けば、かなりの時間を要するかもしれない。ただ、それを経ない限りは、もし今後テレビで松本さんを見ても、視聴者は「本当に笑っていいのだろうか」と、ためらってしまいかねない。法的に否定される、もしくは認定される。コンプライアンスが重視される昨今では、どちらかの結論が出ない限り、メディア側も安易には扱いづらいのだろう。