【関東オークス展望】イゾラフェリーチェらJRA勢をローリエフレイバー、プリンセスアリーら南関東勢が迎え撃つ
[JpnⅡ関東オークス=2024年6月12日(水曜)3歳、牝馬限定、川崎競馬場・ダート2100メートル] 南関東牝馬クラシック3冠目に位置づけられる3歳ダート女王決定戦・関東オークス。今年はJRAから4頭、地方から7頭の計11頭が出走する。目下11年連続でJRA勢が勝利中。2021年ケラススヴィアが2着になるなど地方勢が健闘することはあるが、戴冠は12年のアスカリーブルまでさかのぼらなければならない。果たして今年の女王の座はどの馬に輝くか? スパーキングナイターで熱い火花が散らされる。 JRA勢は今年も個性豊かなメンバーが揃った。サトノクラウン産駒のイゾラフェリーチェ(鹿戸)はスケールの大きい血統の持ち主。半兄エフフォーリアは3歳時に皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念とGⅠ3勝を挙げ、年度代表馬に輝いた名馬。半姉ペリファーニアもGⅠ桜花賞3着馬で大舞台に強い母系の出身だ。自身は芝で勝ち切れず、初ダートの未勝利戦を快勝。芝に戻ったデイジー賞を逃げ切って、リステッド・スイートピーS(9着)から再びダート路線に矛先を向けてきた。先行力もあって川﨑の舞台もそう苦にならなそう。キックバックなどの不安こそまだあるが、距離自体は何ら不安はない。素質の高さは間違いなく、一気に女王の座へと駆け上がるか。 ドレフォン産駒のアンデスビエント(西園正)の母アンデスクイーンは同じ厩舎に所属し、牝馬交流重賞で3勝をマーク。引退レースのJpnⅡエンプレス杯を勝って有終の美を飾った。父の影響からか晩成型だった母以上に完成度が高い。昨年9月のデビュー2戦目で1番人気に応え順当に勝ち上がり。後に喉頭蓋エントラップメントが発覚し、早々に手術を敢行。休養期間中にソエの症状も落ち着き、復帰戦となる今年3月の1勝クラスではいきなり4着とメドを立てた。前走・1勝クラスは逃げて3馬身半差で圧勝。京都ダート1800メートル=1分52秒9(良)もこの時期の3歳牝馬としたら非常に優秀だ。左回りは初めてだが、母が同舞台の重賞を勝っている点は心強い。立ち回りのうまさと持ち前の先行力はこの舞台にはぴったり。デビュー2年目の田口貫太にとっても重賞初制覇が懸かる。 ダート初挑戦となるたキタサンブラック産駒のクリスマスパレード(加藤士)はデビューから芝の中距離で牡馬相手に連勝した素質馬。前走のGⅡフローラS(東京芝2000メートル)でも0秒3差の4着と崩れなかった。母ミスエリカは船橋で4勝しており、血筋からは地方の馬場は歓迎の口。父の産駒にはGⅠチャンピオンズCなどダートGⅠ2着2回のウィルソンテソーロなどダートの活躍馬も出ている。距離には不安がないだけに砂さえこなせれば上位争いの可能性は十分か。 ダノンレジェンド産駒のメイショウヨシノ(荒川義)はダートの6→7ハロンを連勝してきた。一気の距離延長と左回りなど克服すべき課題は多いが、半兄メイショウキリモンはダートの9ハロンを勝っている。母系は必ずしも短距離型というわけではなく、父の産駒には南関東重賞3連勝中の大器サヨノネイチヤなど中距離以上をこなす馬も出ており、700メートルの距離延長でも持ち前の末脚を発揮できるか。