独VWの中国戦略「シェアより利益」に転換の事情 中国勢との消耗戦避け、中長期で巻き返し図る
VWグループのグローバル事業は中国市場への依存度が高く、業績悪化を放置するわけにはいかない。そこで、短期的には中国メーカーとの消耗戦を避けて収益性を改善し、中長期的な新型車の大量投入で巻き返しを図ろうとしている。 中国法人のブランドステッターCEOによれば、2026年から中国市場に(コスト競争力を高めた)新型EVを続々投入していく。その中の1車種はエンジン車の人気SUV「ティグアン」とほぼ同じ車格ながら、約2万ユーロ(約332万円)の販売価格でも利益を確保できるとしている。
■新型EV・PHVを20車種投入 VWは2023年7月、中国の新興EVメーカーの小鵬汽車(シャオペン)に7億ドル(約1068億円)を出資し、広範な技術提携に合意。小鵬汽車の車台をベースに2車種の新型EVの共同開発を進めており、2026年にVWブランドで発売する予定だ。 また、グループ傘下の高級車ブランドのアウディは、国有自動車大手の上海汽車集団と3車種のスマートEVを共同開発している。それらは2025年から順次発売される。
EVだけでなくPHVの開発も急いでおり、2026年の発売を目指している。ブランドステッターCEOによれば、VWグループは2027年末までに中国市場に40車種を投入する計画で、EVとPHVが半分の20車種を占めるという。 (財新記者:安麗敏) ※原文の配信は11月2日
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