一流選手に共通する「継続する力」 ヤクルト・村上宗隆の土台築いた〝チャリ通〟の日々
【球界ここだけの話】一流選手の土台を作ったものは何だったのか―。共通するものに「継続する力」があると感じた。昨年12月27日に熊本県で行われた「菊陽町『子ども達へ夢を』トークショー」での一幕。多くの野球少年が真剣な表情で耳を傾ける中、同県出身の元中日・荒木雅博氏(47)が、熊本工高時代に毎日していたある努力を明かした。 「僕は登下校の距離は負けないと思います。自転車で通いました。13キロ。毎日毎日行って帰るうちに、『何かすれば何か力がつくんじゃないか』と思って、つま先で漕ぐようにしたんです。プラスすることで、自分の中で日常になっていきますからね。それで足が速くなったんでしょうね(笑)。特別すごい努力するよりも毎日できることを続けていくことが、野球がうまくなる秘訣(ひけつ)です」 荒木氏といえば、通算2045安打を誇り、現侍ジャパン監督の井端弘和氏(49)との「アライバコンビ」で中日の黄金時代をけん引した。そんなレジェンドの土台となったのが、高校時代の日課だった〝チャリ通〟での小さな努力。毎日継続することで強い下半身を作り上げたのだ。 「素振りを100本やらないといけないとか決めてしまうと、1日やらないとやらなくなってしまう。毎日続けられることを続けた方が力になっていくんじゃないかなと。元気な日に100本やればいいじゃないですか。1本だけでも毎日振ると決めて続けたら自信になっていきますから」 そして、同県出身のヤクルト・村上宗隆内野手(24)もまた、九州学院高時代に〝チャリ通〟の日々を経験。「僕も家がグラウンドからめちゃくちゃ遠くて、毎日山を2回ぐらい越えないといけなかった。一番しんどかった記憶があります」と明かした。 学校からグラウンドまでも自転車で30分ぐらいかかったというが、「1年生は遠い道を行かされるんですよ(笑)。1年生の道、2年生の道、3年生の道と分かれていて、3年生はちょっとショートカットできていた」と〝九学〟ならではのエピソードを披露。「自転車ってめちゃくちゃ大事なんですよね」と重要性を説いていた。 さらに、同校の先輩で幼少期から親交の深い吉本亮氏(44)=前ソフトバンク2軍打撃コーチ=に「高山きゅう(久)さん(前西武1軍打撃コーチ)のあの話してください」と振った。