F1世界王者フェルスタッペンが抱えた苦悩をレッドブル代表が明かす「みんなの予想以上に彼は批判に敏感なんだ」
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、マックス・フェルスタッペンがコース上で見せる攻撃的なドライビングに対する批判に対して、公の場で見せる姿以上に“敏感”だったと明かした。 【ギャラリー】“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目 ラスベガスGPでフェルスタッペンは今季2戦を残してドライバーズタイトル4連覇を達成した。2023年シーズンの圧倒に続いて2024年シーズンも序盤から変わらぬ強さを発揮していたが、中盤戦以降はグリッド最速とは呼べないマシンで勝利や表彰台を重ねる傑出した走りを見せた。 フェルスタッペンは今年、マクラーレンのランド・ノリスから追撃を受け、時にふたりはコース上で激しいホイール・トゥ・ホイールのバトルを繰り広げた。 オーストリアGPでふたりは激闘を繰り広げた末に接触。ノリスがリタイアに追い込まれた一方で、フェルスタッペンは接触の原因を作ったとして10秒のタイムペナルティが課された。その後も、アメリカGP、メキシコシティGPとアグレッシブな走りを見せたことでフェルスタッペンは非難を浴びた。 フェルスタッペンは当時、メディアやファン、F1ドライバー仲間からの批判を受け流すように見えたが、ホーナー代表曰く、予想以上に影響を受けていたという。 「彼はみんなが思っている以上に繊細なんだ」とホーナー代表は言う。 「必然的に彼は批判を認識しているし、その中には全くもって根拠のないモノもあると思う」 「彼は攻撃的なドライバーだ。しかし(アイルトン)セナもそうだった。(ミハエル)シューマッハーも(ルイス)ハミルトンもそうだ」 シーズン後半、フェルスタッペンとレッドブルは狩る側から狩られる側へ。10戦にわたって未勝利が続く中、RB20の致命的なハンドリング問題から抜け出すため改良に取り組んだ。 ラスベガスGPでチェッカーを受けて4連覇を達成した際にフェルスタッペンが見せた喜び様は、ノリスとマクラーレンを食い止めるために費やした努力の量や、批判の大きさをある意味説明している。 「これは彼にとって本当に大きな意味を持っている」とホーナー代表は言う。 「彼は名声で満足するような男ではない。彼は称賛を求めているわけではない。彼はただ、速いマシンを走らせるのが好きなんだ」 「舞台裏では、彼はエンジニアやデザイナーとシミュレータ上で膨大な量の努力を重ねていた。これまでのどの年よりもね」 「彼の振る舞い、エンジニアや全てのテクニカルスタッフとの協力関係は驚異的だ」 「彼はF1グリッドで頭ひとつ抜けている。そして今年、彼が成し遂げたことは、このスポーツにおける偉大なドライバーのひとりとしての地位を確固たるモノにした」
Filip Cleeren