12月1日は世界エイズデー HIVとAIDS、何が違う?
12月1日は世界エイズデーです。街角で赤いリボンを見つけたら、それは「レッドリボン」と言って、「エイズに関して偏見をもたない、エイズと共に生きる人々を差別しない」というメッセージです。 [写真]HIVと共に生まれる‐ウガンダのエイズ孤児たち‐ 世界では3530万人を超えるHIV/AIDSの患者がいると言われています。日本の状況はどうでしょうか? 厚生労働省のまとめによると、2012年に報告された HIV感染者数は1002件、AIDS患者数は447件。両者をあわせると1449件で、9年連続して1000件を超えています。 HIVとAIDSはどう違うのかって? HIVというのは、「ヒト免疫不全ウイルス」というウイルスの名前です。英語の頭文字をとってHIVです。一方のAIDSは、HIVによって引き起こされる症状のことを指します。 AIDSは、日本語で「後天性免疫不全症候群」と言いますが、病気と戦う免疫の力が低下するので、ふだんはかからない、いろんな症状が出てきます。HIVが原因の症状をまとめてAIDSと言っています。 どうやって感染するのでしょうか? 主に次の3つの経路があります。 (1)性行為による感染 最も多い感染経路です。コンドームの使用は有効な予防手段です。2013年6月までに報告されたHIV感染者の報告数のうち、同性との性行為が約73%、異性との性行為が16%を占めていました。 (2)血液を介した感染 主に覚せい剤などの注射器の“回し打ち”です。また、献血された血液は検査されていますが、エイズ予防財団によると「感染の可能性を完全に排除できない」としています。 (3)母から赤ちゃんへの感染(母子感染) 母親がHIVに感染している場合に、妊娠中や出産時に赤ちゃんに感染することがあります。母乳を与えない、HIV感染症の治療薬を飲むなどで感染を抑えることができます。 最近では、AIDSの発症を予防したり、抑えたりすることができます。厚生労働省などでは、「早期に治療を受けて欲しい」としていて、「世界エイズデー」に合わせ、各地でHIV検査が行われます。