「切り花」作付面積、出荷量が過去最少に 高齢化や資材高騰など響く
好調の枝物は伸長
2023年産の切り花の作付面積と出荷量は、前年に続き過去最少を更新したことが農水省の調べで分かった。生産者の高齢化による規模縮小が主な要因。資材高騰や夏の記録的な猛暑も影響した。一方、切り枝は出荷量が前年比3%増と伸長した。収益が高い品目やニーズに合わせた生産などの必要性が高まっている。 切り花の作付面積は前年比2%減の1万2710ヘクタール。出荷量は同3%減の30億2500万本だった。 主要品目では、菊の作付面積が同3%減の3979ヘクタール。出荷量は同3%減の11億8700万本だった。カーネーションの作付面積は同3%減の229ヘクタール。猛暑での生育前進や病害虫の被害もあって出荷量は同5%減の1億8260万本だった。バラの作付面積は同3%減の262ヘクタール、出荷量は同2%減の1億8400万本だった。
伸びる「切り枝」 インテリア需要も
切り枝は、作付面積が3575ヘクタールと横ばいながら、出荷量は同3%増の2億780万本だった。花束のグリーンやインテリアとしての需要も伸びており、面積当たりの出荷本数が多い品目への変更もあった。宿根カスミソウは需要の回復を受け、作付面積が前年比1%増の196ヘクタール。暖冬傾向で生育が良く、出荷量は同4%増の4710万本だった。 鉢物は収穫面積が前年比4%減の1400ヘクタールで、出荷量は面積減などで同3%減の1億7540万鉢。コロナ下で伸びた需要がひと段落した。花壇用苗物類は、夏場の高温による生育不良や一部地域での大雨影響などで出荷量が同4%減の5億1540万本だった。 農水省園芸作物課は高温など異常気象下での栽培技術や高温耐性品種の導入などを支援。農家所得の確保へ需要期に合わせた出荷ができるように産地を後押しする。
日本農業新聞