「ゆるブラック企業」を見分ける10のチェックリスト 気付いたときにできる3つの対策とは
◆一見ホワイト企業のような「ゆるブラック企業」を見分ける10のチェックリスト
「ゆるブラック企業」は残業が少なくて職場の人間関係も良好であるため、一見ホワイト企業のようである。だからこそ「ゆるブラック化」の進行に気付きにくい。「ゆるブラック化」が進んでいる兆候をいくつか紹介しよう。これらのうち3つ以上が当てはまる場合、自分の職場を疑ってみてもいいかもしれない。 ・上司から部下への直接的な指導や注意がほとんどない ・知らないうちに上司が部下の仕事の失敗の埋め合わせをしている ・本来部下にやらせてもいい仕事をいつまでも上司がやっている ・上司や中高年世代が忙しすぎる ・出張には管理職や中高年世代が行き、若い世代の同行が減っている ・あらゆる世代で社内研修の機会が減っている ・昇進や異動、または転職などに対して無関心な人が多い ・社内イベントや社員間の交流が極端に少ない ・社員がPCや携帯と向き合う時間が長く、会話が極端に少ない ・社員間の関係は悪くないが、目指したい上司像が見当たらない
◆自分の会社が「ゆるブラック化」していることに気づいたとき、あなたができることは?
自分の会社がゆるブラック企業かもしれないと疑うことは、あまり喜ばしいことではないかもしれないが、もし待遇の改善が遅い、成長の機会がない(もしくは遅い)、将来の自分の市場価値が心配だという人は、ゆるブラック化に対する対策を考えるといいだろう。 これには3つの対応策を提案したい。第1に、若い世代から年長者に主体的に働きかけることである。世代間ギャップを感じているのは若い世代だけでなく、中高年世代も同じであるため、待っていてもなかなか上司や先輩世代から声がかかることはない。 若い世代はインターネットで何でも問題解決をする傾向があることも分かっていて、年上の世代は若い世代には声をかけづらいことが多い。 ましてハラスメントに敏感な社会で、上の立場にいる人は、そのつもりがなくても相手にプレッシャーをかけやすいため、多くの中高年世代は神経質になっており、若い世代との会話を避けるようにもなっている。一昔前とは、この点が大違いである。 以前は、必ず職場に2~3人はお節介な熱血派の先輩や上司がいて、さまざまに注意して指導もするが、その分、若い世代をかわいがってくれたものだ。そのような人物は、もうほとんど見当たらなくなり、損をしているのは明らかに若い世代である。 仕事上の問題をネット上からの情報収集で解決できると考えるのは、残念ながら大間違いであるからだ。 簡単な問題、誰でも知っている情報なら、確かにネット上にたくさんあるが、独創的な発想、他人と差別化できるような知恵、経験した者にしか分からないノウハウなどは、実際にさまざまな成長の機会を通して身につけ、成功と失敗の両方から学ぶ必要がある。ゆるブラック化した職場には、その機会はほとんどない。 ゆえに、若い世代は、何とか自分から積極的に働きかけて、成長の機会を得る必要がある。それは時に先輩世代から仕事を奪うことになるかもしれず、その場合は、日頃からいかに先輩世代と交流して、信頼関係を築いているかがカギとなる。 リアルな接点を持たず、ただメールやチャットなどのオンライン上で会話をしていても、そこには何も熱いものは存在していない。