「脱ドル」「脱SWIFT」とアメリカの衰退:「ウクライナ後」に想定すべき新経済圏「中ロ・ユーラシア同盟」
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ウクライナ侵攻 で行き詰まった ウラジーミル・プーチン大統領 が中国との連携に活路を求めているのは、ジョー・バイデン米大統領が指摘するまでもなく明らかだ。それは急場しのぎの兵器や物資の供給だけでなく、長期的なロシアの生存基盤、すなわち「ユーラシア同盟」の構築を睨んでいるといえる。 では、 習近平総書記 は国際的に孤立する手負いのプーチン大統領に救いの手を差し伸べるのか? 今の局面だけをみれば、ロシア支援は中国にとってマイナスでしかない。だが、中国がロシアを見捨てることはないだろう。プーチン政権が崩壊し、ロシアが弱体化すれば、中国は単独で米国陣営に対峙しなければならなくなるからだ。「弱った狼でも番犬にはなる」というのが中国にとってのロシアの意味であり、「中華民族の偉大なる復興」という習総書記の夢の実現には、たとえ捨て石であってもロシアは欠かせないのである。 対ロシア経済制裁で今、最も大きな効果をあげているのは金融制裁といっていい。ロシア最大手のズベルバンクと大手のガスプロムバンクを除く主要銀行は米主導の 国際銀行間通信協会(SWIFT) から排除され、ロシアの中央銀行や国有企業、大手企業も資産凍結を受け、ロシアは貿易決済や対外債務返済で困難に直面している。
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後藤康浩