需要拡大路線へと舵を切る中国――「生産過剰」からの脱却は可能か
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不動産価格の低迷を原因とする不況が長引く中国経済だが、これまで 習近平政権 は、財政や金融を通じた需要拡大政策には消極的だと見られていた。しかし、9月下旬になり中国政府は積極的な景気対策を矢継ぎ早に打ち出しており、これまでの姿勢を大きく変えつつある。本稿では、9月以降の中国の需要拡大政策への転回と、その効果および問題点について検討したい。 その前に、国内需要の落ち込みと、その裏返しとしての生産能力過剰の問題を同時に抱える中国経済の問題点について概観しておこう。
本文:5,754文字
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梶谷懐