「artKYOTO 2024」(渉成園)開幕レポート。日本の美意識を次世代に広げるアートフェア
2019年から京都の元離宮二条城や京都国立博物館で開催されてきたアートフェア「artKYOTO」。今年は東本願寺の飛地境内にある名勝・渉成園を新たな舞台に始まった。会期は10月31日、11月2日~3日。 今年のフェアには、古美術や工芸、近代美術、現代美術など幅広いジャンルの作品を取り扱う16のギャラリーや美術商が出展。加えて、京都市とArt Rhizome KYOTOが主催する「逆旅京都(げきりょ きょうと)」の関連企画として京都市特別企画展「超適応:新しい時代の工芸と表現」も展開されている。 会場となるのは、池泉回遊式の渉成園内に点在する4ヶ所の建物。artKYOTO 2024 実行委員会・ユニバーサルアドネットワーク代表の川上尚志は開幕にあたり、「展示では、日本の伝統的な美意識を感じるものも多く、観覧者の皆様がご自宅で取り入れたくなるような新たなアイディアを得るきっかけにもなるかと思う。日本の美術を次世代、さらには外国人も含めた広い世代に伝えたい」と語っている。 今年の展示は、「日本の美意識」をテーマとしたブース構成。例えば、滴翠軒では古美術 柳とギャラリー志、KANEGAE<KOGEI Next>がコラボレーションし、緊張感を持つ薄いガラスが空間と柔らかに調和する作品が特徴的な田中里姫などの作家の作品を紹介している。代笠席では、Artglorieux GALLERY OF TOKYOによって紹介されている、西陣の金属箔技術を用いた裕人礫翔の球体の作品が目を惹く。
文・撮影=王崇橋(ウェブ版「美術美術」編集部)