【2025年経済展望】キーワードは「アメリカ1強」…日本で“賃金と物価の好循環”は実現するか?
「これは非常に悩ましいです。市場予想だと日銀は1月か3月どちらかで利上げするのではと8割弱ぐらい織り込まれています。ただトランプ政権の政策を受けたFRBの経済見通しを見てから日銀が判断したいとすると、その直前で決めるのはかなり難しい」 「一方、前回利上げしたのはもう2024年の7月ですから、3月もスキップすればかなりインターバルが空いてしまう。日銀の利上げの到達点は低いのでは、とマーケットがみなすと日本の金利が上がらず対ドルで円安が進み、日銀が急いで利上げしなければいけない展開もあり得る」 「基本的にはしばらくは為替にらみで、円安方向に突っ込んだら早めに動くか、そうでなければ落ち着いて判断していく。後者の場合は4・5月の会合まで利上げのタイミングが遅れる可能性もあると思います」 ■円安160円台でも為替介入の可能性が低い理由 その円安と株高は25年も続くのでしょうか。QUICK社が24年12月にエコノミストに対して行った月次調査では、対ドル円相場の最高値が141円台、最安値は162円超、日経平均は最高値が4万3000円台で最安値が3万6000円台でした(いずれも単純平均)。 「160円を超えると為替介入や日銀の利上げも含め何らかの動きが出てくるのでは、という昨年の経験則でこういう数字になっているのだと思います。他方で円高になった場合も140円ぐらいという予想なので、幅は広いですが(一定の変動幅で動く)レンジ相場というイメージでしょう」 「為替介入するかどうかは円が対ドルだけでなくヨーロッパの通貨などと比べても独歩安かどうかも重要です。昨年160円につけたときと比べると円だけ弱いという感じではないものの、160円を超えるのが政治的に許容できないという話になれば、介入はあり得ると思います」 「株価はあまり上値が高くない。強気な人も4万円を超えてどんどん上がっていくというよりは、まずは4万円台を固めていく、というぐらいで見ている印象です」