ソニーがKADOKAWA買収検討の思惑 「鬼滅の刃」など持つがさらにコンテンツ拡大 交渉は初期段階、後の経営体制を協議
国内エンタメ大手買収 ソニーグループが出版大手KADOKAWAの買収を検討していることが分かった。両社の交渉は早ければ数週間以内に成立する可能性がある。ソニーは、膨大なIP(知的財産)やコンテンツを保有するKADOKAWAを傘下に加えてゲームやアニメなどエンターテインメント事業を強化したい狙いだ。 19日の株式市場では、KADOKAWA株に買い注文が殺到、ストップ高となった。 ソニーは2024年3月末時点で、KADOKAWAの株式を約2%保有している。交渉は初期段階で、株式を買い増す方法や買収の具体的な時期、買収後の経営体制を協議するとみられる。 ソニーはアニメ事業の強化を24年度の経営方針の柱に位置付けている。グループ内に「鬼滅の刃」を手がける企業を持つなど有力作品を多く持つが、さらにコンテンツを拡大する狙いだ。 KADOKAWAは、角川春樹氏が前身の角川書店を率いた時代から、映画と出版の「メディアミックス」の元祖として一世を風靡(ふうび)した。弟の歴彦前会長が経営を引き継いだ1990年代以降は、ゲームやアニメ、若者向けのライトノベルを拡大、「ニコニコ動画」のドワンゴとも経営統合するなど多くのIPやコンテンツを抱える。ゲーム事業では世界的にヒットした「エルデンリング」を手がけたフロム・ソフトウェアなどを子会社に持つ。 ただ、歴彦氏が東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で起訴されたほか、今年6月には大規模なサイバー攻撃を受けるなど経営の混乱も生じている。