<ファイルーズあい>「株式会社マジルミエ」 苦しかった就活経験は無駄ではなかった!
就活経験が生きた形となり、ファイルーズさんは「これまでの経験は何も無駄ではなかったと思っています」と語る。
「声優になりたい!と思っていましたが、家族との約束で社会人を一度経験することになりました。正直言って、社会人経験を踏み台くらいにしか最初は思っていなかったんです。すぐに養成所に行った方が早くデビューできるし、その方がいいのに……と。エントリーシートの書き方を覚えても意味ないよ!くらいの気持ちでしたが、全くそんなことなかったんです。それに改めて気づかせてくれた作品です。就活は本当に大変でした。夏にスーツを着て、遠くまで行って、タイトスカートで歩幅が狭いから時間もかかりましたし、企業説明会のクッションのない椅子に座ると、汗がついていて、恥ずかしい思いをしたり……。私の実体験に基づく説得力のある演技をしたいと思っていました」
◇カナ役にびっくり!
カナの成長が作品の見どころの一つになる。
「最初は自己評価が低く、本当に素晴らしい才能を持っているのに自分で自分を認めてあげられていません。謙虚さからくるものですが、少しもったいないところがあり、伸びしろがあるからこそ、彼女がどうやって成長していくのかを見てみたいと思うはずです。才能はあるけど、それ以外は平凡な子でもあるので、見ている人が自己投影しやすいかもしれません。自分もカナみたいに気づいていない素晴らしい才能があるのかもしれないという希望を与えてくれる子だと思っています。魔法少女は、人に希望を与える存在ですし、魔法少女になるべくしてなる子なんだなと思います」
カナは可愛らしいが、力強さもある。芯の強さも魅力だ。
「私は普段、カナのようなキャラクターを演じる機会はあまりなく、可愛らしいフワフワした女の子を演じる時は、なるべく音の圧を抑えるようにしています。カナも圧を抑えようとしたのですが、逆だったんです。カナは芯が強い子だから『もっと出して』というお話がありました。越谷の戦い方は力強く、カナにとって一番近しい先輩でもあるので、少なからず力強さみたいなところは影響を受けています。越谷を見て成長しているから越谷のエッセンスも入れています。音響監督の三間(雅文)さんからの言葉にすごく学ばせていただきました。カナの声色のまま、力強さを損なわず演じることで、自分にはなかった引き出しを見せていただけました。カナはどんどん新しいことに挑戦していきますし、私もカナを通じて新しいことに挑戦させていただきました。いろいろなことを学ばせていただけた現場でした」