藤井聡太叡王を破った伊藤匠七段、初タイトルに「1つ結果が出せたことはよかった」/将棋
将棋の藤井聡太叡王(21)=8冠=が20日、甲府市の常磐ホテルで指された第9期叡王戦五番勝負第5局で後手の伊藤匠七段(21)に156手で敗れ、対戦成績2勝3敗で初めてタイトル戦で敗れた。昨年10月11日に史上初の全8冠を独占したが、8冠時代は254日でストップした。 【写真】敗れた藤井聡太前叡王、全8冠から7冠後退に「時間の問題だと思っていた」 21歳の伊藤新叡王が誕生した。タイトル戦で無敗の22連覇中だった同学年の絶対王者を敗退に追い込んだのは初めて。終局後、伊藤新叡王は普段通りの低めの声と落ち着いた口調でインタビューに応じ、「結構全体的に苦しい将棋が多かったと思うので、何というか、運がよかったかなと思っている。タイトル戦ではずっと苦しい戦いが続いていたので、1つ結果が出せたことは良かったと思います」と初戴冠の心境を明かした。 シリーズ前、過去2度、藤井前叡王に挑戦した竜王戦と棋王戦を含めて公式戦で全敗しており、勝因を聞かれると「そうですね・・・。苦しい将棋が多かったので勝因についてはちょっとわからないというところですね」。藤井世代の到来といえそうだが、「特にそれほど意識はしてないんですけど、今後もタイトル戦に戦えるようになれればうれしいかなと思います」と語った。