ブラウンラチェット出世コース乗った 4週連続重賞Vのルメール無傷連勝導いた/アルテミスS
<アルテミスS>◇26日=東京◇G3◇芝1600メートル◇2歳牝◇出走11頭 キズナ産駒の3番人気ブラウンラチェット(手塚)が3番手から抜け出し重賞V。来週のBCクラシックに挑む日本の若きダート王フォーエバーヤングの半妹が、無傷の2連勝で芝の出世レースを制した。クリストフ・ルメール騎手(45)は4週連続重賞勝利と勢いが止まらない。 ◇ ◇ ◇ ルメール騎手が「すごくいい子」とべた褒めする優等生、ブラウンラチェットがクラシック戦線に名乗りを上げた。 逃げたミストレスを見ながら内ラチ沿いの3番手にすんなり収まり、道中はゴーサインまで無駄な力を使わない落ち着きぶり。直線の坂を駆け上がって進路が開け、満を持して追い出されると右ステッキ2発に反応して抜け出した。2着に1馬身1/4差で勝ち時計は1分33秒8。中山のデビュー戦同様、センスのいい走りで連勝を飾った。「完璧なレース。息が入って自分のリズムで走れた。まだまだ伸びしろがある。今年のトップレベルに行ける」。鞍上はこの10月、毎日王冠(シックスペンス)、秋華賞(チェルヴィニア)、府中牝馬S(ブレイディヴェーグ)、菊花賞(アーバンシック)に続く重賞5勝目。もう手がつけられない。 手塚師も目を見張る。「言うことない。1800メートルから1600メートルになっても楽に好位を取れた。大人びたレース。体はまだだが精神面が完成している。たくさん預かってきたが、牝馬でこれほど競馬に向いている馬はいない。今後へのアドバンテージになる」。次走は今後詰められるが、G1に手が届く位置に来た。【岡山俊明】 ◆ブラウンラチェット ▽父 キズナ▽母 フォエヴァーダーリング(コングラツ)▽牝2▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 手塚貴久(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 2戦2勝▽総獲得賞金 3659万2000円▽馬名の由来 形としては永久機関に見える思考実験上の装置。