「廃墟」と話題 滋賀の大型モール・ピエリ守山の今後は?
滋賀県守山市の琵琶湖岸にあるショッピングモール「ピエリ守山」が、インターネット上などで注目されています。2008年に約200店舗で構成する県内最大級の商業施設としてスタートしましたが、景気の悪化に加え、周辺の大型商業施設の増加で競争が激化し、次第に店舗数が減少。今年2月初めの時点ではわずか4店舗が営業するのみとなり、ネット上では「生ける廃墟」などと話題になっているのです。昨年秋に投資ファンド会社が株式を取得し、関西の不動産開発会社とともにリニューアルオープンする方針を打ち出しましたが、「核テナントなどの誘致を進めているが、まだ具体的な内容を公表する段階ではない」としており、「ピエリ」の方向性はまだ不透明です。
08年開業のショッピングモール
「ピエリ守山」は犬のテーマパーク「びわ湖わんわん王国」の跡地を利用し、2008年9月に正式開業しました。琵琶湖大橋有料道路に隣接しており、延床面積は約7万5000平方メートル。施設は琵琶湖畔を意識し、豪華客船を模した外観になっており、琵琶湖が見下ろせるテラスなども設置。食品センターや有名靴販売店など約200の専門店で構成し、週末などは一定のにぎわいをみせていました。
現在の営業は4店舗のみ
しかし、当時は滋賀県が大阪や京都などのベットタウンとしてマンション建設が増えていた時期で、人口増を見込んで滋賀県南部ではイオンモールや平和堂などが手がける大型商業施設がピエリに続き、次々とオープン。数か月後には激しい競争状態になりました。さらにリーマンショックによる景気悪化と、2010年には京都に「イオンモールKYOTO」、滋賀県竜王町に「三井アウトレットパーク滋賀竜王」という大型モールが開業し、ピエリを取り巻く環境はさらに厳しくなっていきます。同年10月に運営管理していた大和システムが経営破たん。前後して店舗の撤退が加速していき、2013年初めには約60店舗、同9月末には10店舗を切る状況になってしまいました。 2月初め現在の店舗はペットショップやカフェなど4店舗のみ。全館営業から部分営業に移行したものの、完全に閉鎖されているわけではなく、訪れた人は閑散とした状況を確認できてしまうため、ネット上では「廃墟」と話題にされるようになっています。「ピエリ守山」の印象について地元女性商店主は「琵琶湖畔は守山の市街地から少し離れていて気軽に買い物に行くというイメージがもてない上、大型モールのようなブランド店があるといった非日常感も感じられず、中途半端な商業施設という印象がある」と指摘しています。