ベタ足スイングでシャンク病克服、右足の蹴りを抑えて取り組んで 効果絶大、シャンク根絶間違いなし
【海老原清治のNO GOLF NO LIFE】 コンクリート製OB杭の正面にティーアップしたボールを打つ。これが林由郎師匠から授けられた「シャンク病」根絶の処方箋ドリルでした。クラブヘッドが杭に当たってしまうのは、さすがに怖い。最初は杭からクラブヘッド1個分ほど離してボールをセットしてショットし、慣れるに従ってティーアップ位置を杭に近づけていきました。 ダウンスイングで右足かかとを浮き上がらせず、ベタ足のままインパクト直後からクラブヘッドをインサイドへ振り抜く。そのスイング感覚を取り戻せたおかげでシャンク病を退治できました。 ダウンスイングでの右足の蹴り上げがシャンク病の原因だったわけですが、研修生時代に蹴り上げはしていなかった―。6番アイアン以下の短いクラブでは、ハーフショットの練習ばかりを繰り返していたからです。でも、ドライバーともなると最も長いクラブであり、遠心力も大きく働くこともあって右足を蹴り上げてのフルフィニッシュを取っていたのです。 ゴルファーって不思議なもので、スイングすると無意識にフルフィニッシュを取りたくなってしまうんですよね(苦笑)。プロテストに合格し、プロなんだから「格好いいスイングをしなければ」という意識がプラスされてしまったのかもしれません。右足の蹴り上げが早まり、右ひざが前に出てしまう傾向が強まったことでシャンクが飛び出すようになったのです。 シャンク病に悩んでいる読者の方がいたら、僕のようにOB杭正面のボールを打つ練習はしなくて構いませんから、右足の蹴りを抑えて「ベタ足」スイングに取り組んでみてください。効果絶大、シャンク根絶間違いなしですよ。 悩みは解消できたものの、トーナメントで成績を出せない日々は続きました。ようやくプロ初優勝を挙げたのは1982年の千葉オープンでした。ツアー競技ではありませんでしたが、地元開催の大会で勝てたのは本当にうれしかった。初めて見た頂点の景色に感動したことがまるで昨日のように思い出されるほどです。 プロ2勝目はそれから2年後の84年、韓国で行われた新韓東海オープンでした。関東プロゴルフ選手権の出場資格がなく、同週に開かれる同オープンに出場できることを知り、急遽申し込んで韓国へ渡ったのです。試合に出たい一心での行動でした。