【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】角田選手とVCARBはランキング6位の座を獲得してほしい!
■チャンピオンの資格を証明したノリス 逆転チャンピオンを狙っていたノリス選手の戦いは、残念ながらラスベガスで終わってしまいました。シーズンの中盤以降、マクラーレンとノリス選手は優勝争いの常連になり、フェルスタッペン選手とのポイント差をどんどんとつめてきました。 それでもマクラーレンはチームメイトのオスカー・ピアストリ選手をサポート役にして、ノリス選手を優先して戦わせるということをなかなかしなかった。9月の第15戦イタリアGPになってもチームメイトと自由に戦ってもいい、という指示を出しており、チームオーダーを出さない、この"パパイヤ・ルール"はノリス選手にとって足かせになるのではないかと一時は思っていました。 でも、あらためてシーズンを振り返ってみると、マクラーレンがパパイヤ・ルールを持ち出さず、ノリス選手を優先する戦いをしたとしても、やっぱり今年もフェルスタッペン選手が勝っていたと思います。フェルスタッペン選手に比べると、ノリス選手は絶対的な安定感が少し欠けていたように見えました。 でも今シーズン、フェルスタッペン選手を相手にしてここまで戦えたことで、ノリス選手はドライバーとしての能力の高さを十分に証明しました。彼がタイトルを獲得する日はそう遠くないかもしれませんし、ワールドチャンピオンの資格は十分にあると示したと思います。
■マシンのすべてを出し切った角田選手 ラスベガスGPではビザ・キャッシュアップRB(VCARB)の角田裕毅(つのだ・ゆうき)選手が素晴らしいレースをしましたね。予選で7番手に入り、決勝でもハースのニコ・ヒュルケンベルグ選手やレッドブルのセルジオ・ペレス選手と競り合い、9位に入賞。貴重な2ポイントをチームにもたらしました。 角田選手はVCARBのマシンのポテンシャルをすべて引き出して戦っていたと思いますが、それでも9番手スタートのヒュルケンベルグ選手に先行されてしまった。この結果を見ても、現状ではハースの方がマシンとしては一歩先を行っているように見えます。 VCARBはラスベガスGPに向けてリアサスペンションやエンジンカバーなど、大掛かりなアップデートを投入してきました。その調整のためでしょうか、初日のフリー走行ではマシンのポテンシャルを十分に引き出せずに苦戦していました。中団グループの戦いは大接戦ですので、そういうちょっとした遅れが結果に響いてくると思います。 第21戦のブラジルに続き、今回のラスベガスでも角田選手は速さを見せました。VCARBがチームとして初日のフリー走行からしっかりとマシンを仕上げて、角田選手が自信を持って戦えるマシンを与えることができれば、もっともっとポテンシャルが引き出され、さらなる好結果につながっていくのではないかと期待しています。