なぜ「ユニクロ」のオックスフォードシャツは服好きたちから人気なのか? ALL4,000円以下の名品の歴史を徹底解説
ユニクロはジーンズ同様に90年代後半からオリジナルでオックスフォードシャツをつくりはじめている。新聞に広告を出しはじめた1999年、文字だけのジーンズの広告に続く第2弾としてブロードチェックシャツの写真を一面にレイアウトした広告を出している。 【写真】ユニクロの永久定番名品「オックスフォードシャツ」の歴史、ディテール、オシャレな着こなし画像をもっと見る! 「これは、かなり、こだわりました。ユニクロのシャツ、1900円」という、キャッチコピーの下には商品の商品のこだわりポイントがディテール別に引き出し線で示されていた。素材の項目ではオックスフォードシャツについてもふれ、“最高品質のコットンを使用してつくられている”という内容が記されている。この広告ではシャツのディテールひとつひとつに解説を付けることで、ユニクロの“ものづくり”に対する真摯な姿勢をアピールした。
ほかの定番と同様に、ユニクロはオックスフォードシャツを、マイナーチェンジを繰り返しながらつくり続け、進化させててきた。シャツは学生やビジネスマンが毎日着るユニフォーム的なアイテムで、毎日着替えては洗う消耗品でもある。だからユニクロの商品の中でもまとめ買いする人やリピートする人が格段に多く、消費者からの意見も真摯に受け止め、製品づくりに反映してきた。 90年代からオリジナル生地を開発する中で、オックスフォードシャツは2010年代にベストな生地を完成させていた。「これ以上変えるところがない」とユニクロでは同じ生地を8年間使い続けたが、これは異例のことだった。だから2022年春夏に、マスターピースとして完成されていたオックスフォードシャツがリニューアルされたのは、SNSなどでも大きな話題になった。
「LifeWear」をコンセプトに掲げたユニクロは、完成された定番をさらに進化させることに取り組んだ。試行錯誤を重ねた結果、三子糸(みこいと)を使うということに。三子糸は文字通り3本の糸を撚って1本にした糸。単糸より双糸、双糸より三子糸のほうが強度は高くなる。ただしつくるのに時間とコストがかかるため、通常は縫製糸にしか使われていない。 しかしながら、このときユニクロは「よりタフに、しなやかに」というテーマを掲げていたため、撚りを加えるほどしなやかになる三子糸こそ最善と判断した。生地として、ほぼ流通していない三子糸のオックスフォードをつくるのは簡単ではなかった。それでも時間をかけて、素晴らしいオックスフォード生地を完成させる。
しなやかで品のある生地に合わせてパターンやディテールも一新することになり、現在のオックスフォードシャツが完成した。それまでのオックスフォードシャツは正統派のアメリカントラッドの雰囲気があったが、2020年からの新生「三子糸」オックスフォードシャツはキメが細かく、ハイブランドのシャツのようなルックス。この価格でラグジュアリーブランドに引けを取らず、難なくコーディネートできるのがユニクロの真骨頂だ。
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