失敗して「才能がない」と思う人に伝えたいこと 結果だけ見れば「成功」は華々しく見える
「一夜にして成功を収めた」という話を聞くと、私はいつも疑問を感じてしまう。 成功はたいてい、何年にもわたる努力と粘り強さがもたらすものだ。 【写真で見る】「偶然のできごと」を、圧倒的な成果に変える1冊。 ■成功に必要なのは、才能か、努力か 本人のグリット(やり抜く力)と粘り強さがなければ、成功への長い旅路がいつ何どき不運に見舞われて頓挫してもおかしくない。 リンクトイン創業者のリード・ホフマンは、限られた人だけが正しいタイミングで正しい場所に居合わせる幸運を持っているという幻想を否定する。もちろんタイミングは重要だが、成功のカギを握るのは情熱とグリットだ。
X(旧ツイッター)、ミディアム、ブロガーを創業し、「ブロガー」という言葉そのものの生みの親となったエヴァン・ウィリアムズのケースを見てみよう。 ブロガー社が成功したのはタイミングが良かったこともあるが、そこまで行きついたのは、同社が金欠に陥ったとき(スタートアップ企業ではよくあることだ)にウィリアムズがグリットを発揮したからだ。 粘り強さが重要だというのは、当たり前のことのように思えるかもしれない。
だが私たちは、才能より努力のほうが重要だと口では言いながら、心のなかではその逆を信じている。 自分のアイデアがうまくいかなかったり、昇進できなかったりすると、「私には才能がないんだ」と思うのだ。 だがアンジェラ・ダックワースはさまざまな分野で成功している人々を分析し、グリットのほうが才能よりはるかに重要であることを示した。 結局のところ、本心ではどう思っていようと、私たちが自分自身に言い聞かせていることは正しいようだ。
この矛盾を解決するには、どうすればいいのか。ダックワースが勧めるのは、日常的な小さな目標を設定することだ。 その目標は、日々ささやかな勝利を積み上げつつ、それと同時にもっと大きな夢やビジョンの実現に近づき、意欲を保てるようなものにする必要がある。 この2つの要素を組み合わせれば、好ましい結果が起こりやすくなる。 そのためにもリーダーや保護者は叱咤と激励の両方を与えなければならない。 ■成功は、山ほどの失敗のあとに訪れる