スタバもマックもほぼ2倍、一風堂は3000円超え? 金銭感覚も狂う米ニューヨークの別世界ぶり
◆コロナ禍に急増したアジア系差別の現在
コロナ禍を機に、アメリカではアジア系の人々に対する暴力や傷害事件の急増が、事あるごとにニュースになったのはまだ記憶に新しい。ニューヨーク市では一時期、「Stop Asian Hate」という差別撲滅キャンペーンが行われていた。
▼日本人旅行者はほぼいない
今回、10年ぶりにニューヨークを訪れたが、筆者が「差別を受けた」と感じたことは一度もなかった。もちろん、ただ運がよかっただけかもしれないが、スーツケースを持って階段を上ろうとすると後ろから手伝ってくれたり、建物に入ろうとすればドアを開けてくれて、カフェの注文ではどこでも丁寧な接客を受けた。 日本人旅行者は以前にも増して非常に少ない一方で、他のアジア系、韓国人や中国人などの旅行客は多く、主な観光スポットでも目立っていた。しかも、大きな声で走り回り、差別を受けたとしてもはね返さんばかりの気勢すら感じた。
▼入国審査が厳しい昨今
ちなみに、アメリカ入国時、入国審査官は丁寧に対応してくれたものの、今回の滞在に関し、以前の渡米時よりかなり細かい質問を受けた。近ごろ日本人女性の入国トラブルもよく聞かれ、何を質問されてもある程度準備してきた一方、英語がある程度できないと厳しいかもしれないとも感じた。 直前に入国審査を受けていた若い中国人女性は、スマートフォンの翻訳アプリを堂々と使っていた。
◆ニューヨークが高い? それとも日本が安すぎる?
ニューヨークの物価は、10年前ですら他都市より高かった。だが今、円安に加えて現地の物価も軒並み上がり、一方で日本の物価は値上げが相次いでいるとはいえ微々たるもので、ニューヨークに比べるとまだまだ安い。 ニューヨークであらゆるものが異常に高く感じるのは、給与が上昇し続けるアメリカに比べ、平均賃金が長年ずっと上がらない日本の事情も少なからずある。 今現在、日本からニューヨークへ旅行するのは旅行にかかる費用を考えれば、休暇時期が限定される日本人にとっては正直かなり厳しいものがある。航空運賃も燃油サーチャージが高止まりし、特に繁忙期はなかなか下がらない。 それでも、ニューヨークが世界のあらゆるジャンルで最先端を行き、常に進化し続ける魅力的な街であることは昔も今も変わりない。 この記事の筆者:シカマ アキ 大阪市出身。関西学院大学社会学部卒業後、読売新聞の記者として約7年、さまざまな取材活動に携わる。その後、国内外で雑誌やWebなど向けに取材、執筆、撮影。主なジャンルは、旅行、飛行機・空港、お土産、グルメなど。ニコンカレッジ講師をはじめ、空港や旅行会社などでのセミナーで講演活動も行う。
シカマ アキ