老後は田舎暮らしを決め込んでいたが…夫を亡くし「年金は国民年金だけ」と悲観に暮れる66歳妻、年金機構から届いた「緑色の封筒」に涙したワケ
老後を見据えた準備。会社員や公務員であれば、基礎年金に加えて厚生年金も受け取れるので、年金だけで生活するというのも視野に入れることができます。しかし自営業で基礎年金だけだと、なかなかそんな老後を見据えることはできません。6万円強の基礎年金だけで生きていく……あまりに過酷な現実です。 ▼【ランキング】都道府県「高齢者・生活保護者率」…ワースト3位「沖縄」2位「東京」…ワースト1位の都道府県
いつまで仕事を続けるか…区切りをつけにくい自営業
夫婦であれば、きっと一度はしたことがあるだろうこんな会話。 ――老後は夫婦でゆっくりと過ごそう 結婚して以来、仕事に子育てにと忙しく、自分たちの時間なんてなかった。老後くらいは夫婦水入らず、ゆったりと過ごしたいと多くの人が思い描いているでしょう。 ベンチャーサポートグループ株式会社が昨年、全国50代の会社員を対象に実施した『老後資金と働き方調査』によると、約8割の50代会社員が老後の生活費に不安を感じており、約9割が定年後も生活資金を賄うために働き続ける予定または可能性があると回答しています。その不安の大きな要因が老後資金の準備。約半数が老後資金として準備しているのは「500万円未満」と回答しており、経済的な不安が大きいことがわかります。 そんな不安を抱える老後ですが、その生活で重視することとして最も多いのが「健康」で46.5%。「経済的安定」34.0%、「幸福感・充実感」12.3%と続きます。 【定年後に楽しみたいこととは?】 ・物価の上昇が激しくて、老後資金の計算が大きく変わってきたと感じている(北海道/女性) ・老後資金がどのくらい必要なのか、わからないこと。もうすぐ定年になってしまうが、老後資金が貯められる期間が短く心配(東京都/女性) ・年金だけで賄えるか心配(愛知県/男性) ・現在の生活レベルを維持できるか(東京都/男性) 会社員世帯だと、そんな「定年後の生活」に対して夫婦で思いを馳せているケースも多いでしょうが、自営業となるとなかなかそうはならないといいます。 池田智子さん(仮名・66歳)。結婚と共に夫が脱サラ。夫婦で夢だった飲食店を始めたといいます。 ――日替わりで定食を出す飲食店。料理が得意な主人がつくって私はホール担当、これで子どもたちを育てて、家も建てました。商売をやっていると定年なんてないから……ただずっと働き詰めだったので「いつか田舎にでも引っ越して、静かに暮らそう」と、これだけは夫婦で決めていました。ただいつかは決めてなかったので、夫が生きていたとしても叶えられたかどうか 自営業だと働けるうちは働くとなりがちで、なかなか区切りをつけにくいもの。そんななか、夫は急逝。いつも次の日の仕込みを終わらせてから帰る、というのが智子さんの夫のルーティン。一方、60歳を越えてから腰の持病が悪化し店に立つのも大変だった智子さんは、毎日ひと足先に家に帰り、夫が帰ってくるのは家族が就寝してからということも。その日も智子さんが先に帰り、すでに就寝。次の日、夫が帰ってきた形跡がないことに気づき、お店に行ってみると、キッチンで倒れている夫を発見。心筋梗塞だったといいます。
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