砂川猟銃訴訟高裁で逆転敗訴…当事者の思いと広がる波紋
逆転敗訴は波紋を呼び、道猟友会は先月、道内71の支部に自治体や警察と十分連携できない場合は、出動要請の拒否するよう通知する方針を決めました。 最終的な判断は各支部に委ねることになりましたが、駆除の要請に引き続き応じる支部がある一方で、「慎重にならざるを得ない」とする支部も出ています。 こうした中、鈴木知事が道猟友会の堀江篤会長とともにハンターがヒグマを円滑に駆除できる体制づくりを求める 要望書を環境省に提出しました。 「現場の関係者が緊密に連携して捕獲従事者が不安を抱えることなく捕獲できる。そういう仕組みになるようにしてほしい」(鈴木知事) 道によると、今年度、道内で駆除されたり狩猟されたりしたヒグマの数は昨年度の1・9倍にあたる1804頭に達し、記録が残る1962年度以降で最多となりました。 環境の変化などからエサを求めて市街地に近づく個体も増える中、ハンターが果たす役割はますます重要になっています。 専門家は、ハンターだけに責任を求める体制は問題だとした上で、次のように指摘します。 「例えば火災や大雨、洪水があったときには消防がどこの市町村でも出るし、事件事故があれば警察が出動する。鳥獣だけは民間の銃所持許可者が出てくる。 時代が変わり鳥獣の問題も様変わりする中で本質的には行政が責任を持てる部隊を何らかの形で持つそういう風にしないと、今後も増える鳥獣には対処できないのでは」(酪農学園大学野生動物生態学研究室・佐藤喜和教授)
池上さん側は高裁判決を不服として最高裁に上告しています。 求めているのは、ルールを守り、地域の安全のために奮闘するハンターがないがしろにされない社会です。 「行政と協力体制ができていても高裁判決だと協力できない状態になる。私たちも好んで動物を殺していない。危険だから普通の人にはできないし命かけてやっていることを理解してほしい」(池上さん) どうすればハンターが安心してヒグマの駆除に当たれるのか。 自治体や警察などを含めた新たな協力の仕組みが求められています。