東京五輪組織委とIOCが合同会見(全文1)暑さ対策で一部競技の開始時間を変更
組織委・森会長による一部競技の開始時間変更についての説明
森:ご苦労さまです。先ほど3日間の会議を終えました。コーツ委員長、ギラディ副委員長、デュクレーさん、それからIOCの皆さまからもたくさん今回ご意見をいただきました。また冒頭にバッハ会長にもご出席をいただいて、ごあいさつもいただきました。個々の議論につきましてはコーツさんから今、説明があったとおりでありますが、少し補足的な点を数点申し上げます。 まず暑さ対策でありますが、バッハ会長をはじめ、これまで関係者からも懸念が示され、組織委としても重要課題の1つとして取り組んでまいりました。7月のIOC理事会でセッションスケジュールの承認を得た際にも、暑さには配慮してまいりましたが、今般IOCの暑さ対策専門家グループからの提言を受け、選手へのいっそうの配慮が必要な一部の競技において競技時間の変更をすることといたしました。変更は以下のとおりです。 ラグビーは全ての午前セッションを1時間半早めて、朝の9時開始といたします。自転車競技、男女マウンテンバイクは1時間遅らせて午後3時といたします。なお陸上競技、男女マラソン、競歩についてはIOCの専門家グループの提言を踏まえ、スタート時間を繰り上げる方向で調整を進めております。変更に当たっては国際陸連からの正式合意が必要なことから、引き続きIFと緊密に連携をし、年内に着地を目指していきたいと思っております。また、路上競技の早期実施につきましては東京都への影響も大きいことから、引き続き連携を密にしてまいります。 次に先日のIOC理事会におきまして、AIBAに対しての追加措置が決議され、東京大会でのボクシング競技の計画作業の凍結が決まりました。最終結論は来年6月のIOC総会になるというふうに理解をしております。一方、これらのIFに対する措置にかかわらず、選手を守るためボクシング競技そのものは東京大会で実施できるよう、IOCは配慮するものとしております。組織委としては今後の準備に支障のないように、IOCとの今後の連携の方法について協議をいたしました。来年6月までにIFの承認や判断が必要な件についてはIOCと相談して進めていけるよう、お願いをいたしております。今後、関係者と協力し、大会開催に向けて実務的な準備は着実に進めてまいりたいと思います。 次に大会予算について、昨年12月のV2予算を元に予算編成作業を進めており、進捗を調整委員会の皆さまにも報告いたしました。プロジェクトが詳細化するにつれ、新たな予算の需要に直面する一方、IOCやその他関係者の皆さまと連携し、アジェンダ2020やニューノームの適用により、経費の最適化に取り組んでおります。今後、東京都や国などの調整を経て、年内にV3予算を発表する予定であります。収支均衡でV2予算の範囲を超えないように引き続き調整をしてまいります。 また、昨日でありますが、IPC会長で調整委員も務めていただいておりますパーソンズさんにユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議にご出席いただきました。これは日本の閣僚会議であります。関係省庁の大臣らとバリアフリー化のいっそうの推進について方針を確認し、共生社会の実現を呼び掛けていただきました。パラリンピックの準備もオリンピックの準備としっかり統合し、両大会の成功に向けて準備を進めます。 大会開幕まであと600日を切りました。議論もますます具体化してまいりました。またこれまでIOCの来日には自治体の方にも個別に進捗報告をお願いしてまいりましたが、今回、静岡、山梨、神奈川から準備状況を報告いただき、これで会場関係の自治体報告を一巡いたしました。オールジャパンでの取り組みをIOCの皆さまともしっかりお伝えできたと思っております。また、昨晩の食事会にも神奈川、あるいは静岡、福島等の知事さんにもご出席、知事さんのご都合の悪い方々は副知事さん、市長さんなどにもご出席いただいて意見の交換を皆さんがされておられます。 先週来、ANOC総会、IOC理事会、そしてこの調整委員会と多くの関係者の皆さまに準備状況を報告してきましたが、大変高い評価をいただいたと実感をいたしております。バッハ会長からは過分なお褒めをいただいておりまして、2年前でこれだけの準備ができている都市は今まで見たことがないとの言葉をいただきました。私どもはこうした評価に慢心することなく、私は油断大敵という言葉がありますから、最後までしっかりと気を引き締めて、引き続き関係者一同、気を引き締めて準備を進めてまいりたいと思っております。 バッハ会長は来日されまして、きのう韓国を経由してお帰りになりましたが、10日間日本に滞在でありましたし、コーツ委員長、ギラディ副委員長は、今日で2週間ご滞在になっておられまして、その他の調整委員会もかなりの日数こちらにおられます。これだけ日本におられるということは、それだけ東京2020に全てをつぎ込んでおられるんだということの意思の表れであり、私どもとして大変ありがたく思い、責任を痛感いたしております。本当にコーツ委員長をはじめ調整委員会の皆さん、ありがとうございました。以上です。 司会:ありがとうございました。それでは質問を取りたいと思います。それでは質疑を始めます。質問があればどうぞ挙手なされて、そして名前と所属をおっしゃってください。それではあなたに最初にお願いします。 通訳:マイクが入っておりません、【通訳***00:23:15】。