震災後の能登に豪雨の追い打ち…復興主導するのは国or県?小林史明氏「必要なのは制度論ではなく現場の運用とリーダーシップだ」ひろゆき氏「“能登は儲かる”というイメージ作りが大事」
小林史明元デジタル副大臣は、現地視察の経験から、「地域にハブになる人や、ノウハウのある人がいるかで、支援状況が変わる」と語る。加えて、「石川県は、医療機関同士で情報共有する仕組みを独自で作っていて、避難先でも薬やカルテの情報がわかった。被害状況もデジタル化して、共有できるシステムが必要だ。すでに政府は石川県に“ミニ霞ヶ関”を置いている。そこが早急に対応すべきだ」と、情報インフラの必要性を説く。 災害による規制改革の例として、小林氏は映像による判定を紹介する。「現場で映像を撮り、専門家がオンラインで見れば、現地へ行かなくても、多くの現場を判断できるようになる。馳知事や近藤議員と、効率的な対応を考えたい」。 これを受けて近藤氏は、「1月の地震では、家屋から荷物を出す危険もあり、一定の専門性が必要だった」としながら、いま必要な「泥出しは、たくさんの人に来てもらい、できるところからやるのが重要だ」と、求められているボランティアの違いを話した。
■復興を主導するのは国?県?
能登復興財源としては、国が6641億円を予備費から支出、520億円を復興基金に拠出している。また県は9422億円を支出している。これらの資金は、港・道路などのインフラ復旧や、仮設住宅の建設、倒壊した住宅の解体や撤去の加速化などに使われている。 支援者に対する支援も考える必要がある。ボランティアを差配する職員は、彼ら自身も被災者にもかかわらず、人手不足によって疲弊している。1月からの頑張りも豪雨で台無しになり、心が折れかかっている現状もある。厚労省等から人を派遣する必要があり、その配置は県庁ではなく現場だとの指摘もある。 小林氏は「災害対応は、被災した市町村の責任になっている」と説明する。「職員も被災者で、判断どころじゃない。県や国が責任を持つ仕組みにすべきだ。熊本地震や能登半島地震でノウハウがたまり、現地に各省庁の責任者が出向き、県や市の判断をサポートするようになった」。 また、今回は復旧・復興の計画も「県がリーダーシップを執った」という。「福島では市町村が先に復興計画を作ったが、各自治体が『病院が欲しい』と求めて、非効率だった」と東日本大震災時を振り返りつつ、「今回は県と国が一緒に取りまとめて、これからの過疎地域に合わせた自立分散型の計画を作った。非常に先進的なモデルだ」と述べた。