枝野幸男氏、櫻坂46の紅白歌唱曲を胸に挑む戦い「勇気づけられる」/立民代表選インタビュー
立憲民主党代表選(23日投開票)に立候補した枝野幸男前代表(60)が、日刊スポーツなどスポーツ各紙の取材に応じた。アイドルやJ-POPに精通する枝野氏が、今の心境を託したのはアイドルグループ櫻坂46の「Start over!」。その歌詞に触れながら「なぜ、今挑戦するのか」という思いを語った。 民主党政権の官房長官時代には「枝野寝ろ」、希望の党をめぐる排除騒動で立民を立ち上げた時には「枝野立て」との声がSNSで拡散し、そうした声に応じ続けてきた。今回も「論戦が始まると『もう少しきちんと座れ』とか、貴重な提言をいただいている(笑い)。立候補した目的の1つはまず、この代表選を自民党総裁選に負けないものにするということ。私が先行して、こういう状況をつくってきたことを分かっていただいたコメントもあった」と述べた。 「この30年、特にアベノミクスの10年で、日本は国民生活も経済もぼろぼろになった。国民生活をこの危機から救いたい。そのためには人を使い捨てにしてきた経済や社会から、人間中心の経済『ヒューマンエコノミクス』という新しい旗印を掲げて、新時代を切り開きたい」と主張。自民党に対しては「だれが総裁になっても、しょせん看板のかけ替えに過ぎない。裏金議員のけじめなしに、あんなザルの政治資金規正法をそのままで選挙をするのか。むしろ臭い物にふたをして、ふたをされたものがますます腐ると思っている」と厳しく指摘した 自身の強みを「経験値という意味では、野田さんも私以上に経験があるかもしれないが、私は東日本大震災と希望の党騒動という国の危機と仲間の危機に直面し、国民のみなさん、多くの仲間に支えられて乗り切った。今、国民生活の危機に当たり、国民のみなさんと危機を乗り切る先頭に立つには、十分な経験がある」と訴えた。 排除騒動で立民を立ち上げる時に背中を押されたのは、欅坂46の「不協和音」だった。「1度妥協したら死んだも同然」など、当時の枝野氏の境遇を思わせるような歌詞だったこともあり、大きな話題になった。 枝野氏は「今の心情を託すなら」との問いに「櫻坂の『Start over!』」と即答。「もう一度だけやり直そうなんて思うなら 今しかない 後なんてない」の歌詞を口にしながら「7年前(の立民立ち上げ時)には『不協和音』に背中を押された。(今回も)勇気づけられます」と述べた。同曲は、昨年末のNHK紅白歌合戦で披露された。 また、現在放送中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」の主題歌で、米津玄師が歌う「さよーならまたいつか!」にも触れ「歌詞がいい。このバタバタが終わって、早くカラオケで歌いたい」「私たちは100年後に何を残すか、が仕事だと思っているので(共感できる)」と、語った。 代表選には、野田佳彦元首相(67)、泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)も立候補している。 ◆枝野幸男(えだの・ゆきお)1964年(昭39)5月31日、栃木県生まれ。東北大卒。日本新党の公募に応じ、1993年衆院選で初当選。菅直人政権の官房長官として、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故対応に当たった。当選10回。