小泉進次郎氏 失速のウラに“作法を知らぬ”新女帝 大手商社出身エリートも秘密裏に開いた“懇親会”は「素人みたい」
進次郎が落ちてきたーー。 過去最高の9人が立候補した自由民主党の総裁選挙。候補者の乱立で票が割れ、上位2名による決選投票になることが確実とされる。 【写真あり】小泉進次郎氏の“致命的誤字”の投稿 「もっともメディア各社による情勢調査では、小泉進次郎元環境大臣が上位2位以内に入ることは、ほぼ確実です。残る8人のうち誰が決選投票まで生き残るのかが焦点ですね」 しかし、総裁選が開始されてから1週間が経ち、小泉元環境大臣がじりじりと支持を落としてきている。 「政策討論会であらわになった、小泉さんの“薄さ”がやはり効いていますね。“選挙に勝てる顔”という観点で総裁を選びたいのは国会議員だけ。党員は、むしろ現状の自民党を改革し、さらに政策実行能力のある総裁を選びたいと考えています。 その点、小泉さんは知名度やタレント性を考えれば選挙には勝ちやすいでしょうが、自民党を改革できるような気配はありませんし、具体的な政策論も弱い。とくに討論になれば、石破茂さんや高市早苗さんのような、“うるさがた”の論客には敵わないですからね。議員票でリードしているものの、どこまで強くなるのかどうか」(政治部記者) そしてもうひとつ、党内で小泉元環境相の支持急落の要因とささやかれているのが、「選対機能の脆弱さ」だという。現在の小泉選対は、支持に回った各議員が得意分野の政策策定を担当している。一方、選挙戦略については、公設第一秘書の女性を中心に、国内のPR会社と外部コンサルタントが担っているという。問題は、この選挙戦略というのだ。 「公設秘書の女性は小泉事務所の“新女帝”と呼ばれている女性です。元三菱商事の社員で、日本ケンタッキーフライドチキンに出向し、マーケティングを担当したこともあるそうです。またPR会社は、ホームページによるとアジア最大のPR会社の子会社です。どちらも“すごそう”なのは間違いありませんが、選挙のプロではない」(別の大手紙政治部記者) 小泉選対は霞が関独特の“作法”を知らないという。 「例えば、小泉事務所では総裁選へ立候補を表明する前に、大手紙の政治部デスクを集めてコーヒー懇親会のようなものを開催しています。しかし、そもそも政治部記者という人間は、『あなただけに特別に教える』と耳打ちして、初めて手なずけられるもの。全員を平等に集めた時点で、本当に“仲が深まる”ことはありません。万事につけてこうした機微をわかっていないんですよ。総裁選については素人みたいなものですね」(同前) “小泉構文”が生まれる原因もここにある。 「もともと小泉さんは、話しながら着地点や結論を見つけようとする傾向があるんです。それが進次郎構文と呼ばれる奇妙な文章になってしまう理由ですね。例えば米大統領選ではコンサルタントが原稿から身振り手振りまですべて面倒を見ます。しかし、小泉陣営の中に選挙コンサルタントの経験豊富な人がすくなく、必要な資料だけを揃えて小泉さんに丸投げをしてしまっているようです」(同前) 選挙戦略に詳しい米国のPR会社OBは、小泉氏はある意外な人物の作戦を参考にすべきだと語る。 「ジョージ・W・ブッシュですね。2000年の大統領選挙では、ブッシュ氏もやはり知識や経験、教養といった部分で民主党候補者のアル・ゴア氏より大きく劣っているという評価でした。そこで、アルコール依存症を克服した経験を公表し、平均的なアメリカ市民の悩みを共有できる庶民性をアピールするという作戦をとったのです。これは、ブッシュ氏がスヌーピーの登場するマンガ『ピーナッツ』の主人公に似ていることから、“チャーリー・ブラウン作戦”と呼ばれました。 ただ、今の小泉陣営にここまで戦略的な行動が取れるとも思えませんね。それに、政策論争を徹底的に避けるという手法が国民の目にどううつるのかという問題はありますが……」 総理として政策論争から逃げるのは“セクシー”ではないかも。