Z世代を叱るときに有効な「シットサンドイッチ法」とは…パワハラにならない苦言のうまい伝え方
部下ができると褒めるだけではなく叱る必要も出てくる。山本渉さんは「昭和のような頭ごなしの叱り方は論外で、ビジネスの場で叱ってはダメ。特に新卒社員を含むZ世代には、苦言の前後を褒め言葉で挟むテクニックが有効だ」という――。 【図表】叱り方のテクニック「シットサンドウィッチ」 ※本稿は、山本渉『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)の一部を再編集したものです。 ■だから家康は天下を取れた、部下を潰さない叱り方5カ条 「徳川家康の叱り方」というのが、SNSで話題となっていたことがありました。発信元によって多少差がありますが、大きくはこのような内容です。 ・本人だけに伝える ・やわらかい言葉で伝える ・最初に今までの功績を称えて感謝する ・最後にこの先も期待していると伝える ・家来への叱責は自分への戒めと捉える ネットで称賛されていたもので、史実なのか定かではありませんが、現代にも通じる相手を配慮した「叱り方」であることには間違いありません。 人に仕事を任せるためには「褒め方」にも工夫が必要です。 しかし、ビジネスでもプライベートでも褒めているだけなら楽なのですが、現実はそうはいきません。 「頼んだことを全然やってくれなかった」 「やってくれたけど酷い内容だった」 「何度も同じミスをする」 誰も望まないですが、このようなケースに遭遇することもあるでしょう。褒めるだけでは対処しきれません。 ■パワハラだと思われないように叱るにはどうすればいいのか また、叱ることでパワハラにならないか、相手が会社を辞めてしまわないか、と心配になる人も多いです。 前述の徳川家康の叱り方ではないですが、「叱り方」にも作法がありますので、ここからは「正しい叱り方」に関して解説していきます。 まず結論からお伝えすると、ビジネスの場で叱ってはダメです。 では、スルーするのかというと、そうでもありません。 相手の状況に応じて「指摘」「指導」「誘導」をします。 呼び方の違いではあるのですが、「叱る」という言葉には、「コラっ! 違うだろ! 何度言ったらわかるんだ!」というように、上から目線で怒っているイメージがあります。 例えば、子どもが道路に飛び出そうとした際に「コラっ! 危ないでしょ!」と叱る。これは必要なことかもしれませんが、ビジネスの場で大人に対して「叱る」という感覚には適していません。 これでは、アンガーマネジメントができていない上司になってしまいます。