地震の専門家が警鐘「生きている間にほぼ間違いなく巨大地震が起きる」地震発生の“確率”について解説
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。今回の放送のテーマは「地震の確率」について。政府の地震調査委員会委員長で東京大学名誉教授の平田直(ひらた・なおし)さんに伺いました。
政府の地震調査委員会が公表している予測地図には、今後30年間で震度6弱以上の揺れに襲われる確率が色別に示されており、巨大地震が想定されている千島海溝や南海トラフ沿いの太平洋側、首都直下地震が想定されている関東などは、震度6弱以上の揺れが発生する確率が高いとされる「濃い赤色」が塗られています。 この予測地図の役割について、平田さんは南海トラフ地震が起きる確率を例に、「ここ(予測地図)に出てくる数字には、30年以内という期間を表す数字と、発生する確率の数字が出てきます。“30年”と聞くと長くてだいぶ先のようにも思えますが、ここで考えなければいけないのは“30年以内に10%で発生する”という確率が、非常に高い確率であると認識しなければならない」と声を大にします。 さらには「ときどき“30年後に地震が起きる確率なの?”と思っている人もいたりしますが、そうではなくて、もしかしたら今日かもしれないし、明日、10年後に起きるかもしれない。つまり、30年以内のどこかで起きる可能性が極めて高いということです。もっと言うと、生きている間にほぼ間違いなく巨大地震が起きます」と解説します。 南海トラフでマグニチュード8~9クラスの地震が発生したら、神奈川県の西部から鹿児島県にかけて、広い範囲で震度6弱以上の揺れに見舞われると予想されており、耐震化されていない木造家屋は倒壊する可能性があります。また、非常に高い津波が押し寄せることも想定されています。東海地域で一番高い津波がくるのは静岡県下田市で最大33m、被害想定のなかで一番高い津波は、高知県黒潮町で34.4mと予想されています。 大人でも、30cmの津波がくれば動けなくなります。そして、1mで車が流され、3mで木造家屋が浮き上がって流れていくとも言われています。 平田さんは、日本で暮らしている以上“自然には恵みと災い”があるということを理解することが大切とし、いつ、どこで起きるか分からない災害に対して、日頃から準備することが必要だと話していました。 平田さんが2024年8月30日(金)に出版された著書「地震を知って震災に備える」(亜紀書房)のなかにも「地震の確率について考える つねに準備をしておく」という項目があります。ぜひ、手に取ってみてください。 (TOKYO FM「防災 FRONT LINE」放送より)