6代目山口組の反応とは 「池田組長・織田会長」処分保留で釈放に
織田会長が散髪屋を予約した
つまり、組織の力をフル活用して余嶋組長を殺害したナンバー2の振る舞いをトップが知らないはずがなく、暴力団の組織上トップの責任はまぬかれないとの見立てで織田会長を組織犯罪処罰法の殺人容疑で再逮捕しようと目論んでいたとの説が浮上していた。 「ヤクザ界隈では広く知られていた土地建物に絡むカネの流れにメスを入れるのはいつでもできたはず。それをこのタイミングで行ったということで、その後に何らかの捜査が引き続き行われるという見方は強くありました。具体的には織田会長とラーメン組長射殺事件との関連でした。ところが、7月30日に織田会長と池田組長は処分保留で釈放となりました」(同) 釈放間際にはヤクザ業界では情報が錯綜していた。釈放前提で、「織田会長が散髪屋を予約した」などといった話まで駆け巡ったという。元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、NPO法人「五仁會」を主宰)によると、 「特に織田会長に関して組織犯罪処罰法の殺人容疑で再逮捕される可能性がかなり噂され、不可避との見方もあっただけに、6代目山口組側はかなり驚いたようです。傘下組織に緊急会合を開くようにと本部から指示が出たと聞きました」
再逮捕濃厚の見方が覆ったのは
6代目山口組としては対立組織の1つである絆會の弱体化がより一層進む好機だとして注目してきたようだ。ところで、再逮捕濃厚との予測が外れたのはどういうことなのか。 「あくまでも当局が再逮捕を目指していたという前提で言うと、シンプルに証拠が固められなかったということなのかなと。ナンバー2の行為にトップが加担していたことに具体的な証拠がなく推認の域を超えないということで、検察側がブレーキを踏んだ可能性はあると思います。たとえば、あくまでも想像ですが、“くれぐれも暴走は慎むように”などと自制を促すメッセージが織田会長から金若頭らに送られていたことがわかった、といったケースです。そうなるといくら『これは“やれ”ということを暗に示唆しているのだ』などと主張しても、裁判では通用しないでしょう。また、工藤會トップらの裁判では推認に基づいて判断を下した地裁の死刑判決が高裁でひるがえっており、同様のリスクを回避しようとしたのかもしれないですね」(先の記者) 捜査当局としては再チャレンジといったところだろうか。1日も早い抗争終結が望まれる。 デイリー新潮編集部
新潮社