「相続で不動産を共有」した場合…あなたの行動はどこまで自由?共有者とのトラブルを未然に防ぐ“3つの具体策”
共有持分の“売却”におけるトラブルの予防法
共有不動産を売却する場合、共有者全員の同意を要するため、他の共有者から売却の同意を得られない、他の共有者に連絡が取れないという事態も想定されます。 一方、自分の共有持分だけならば、その人の意思で自由に売却が可能です。不動産の共有関係から離脱したいならば、共有持分の売却を検討するべきでしょう。 ただし、共有持分の売却でも注意しなければいけない事柄があります。ここでは、共有持分の売却で他の共有者とトラブルが起きないようにする対策を解説します。 事前に他の共有者へ報告する 自分の共有持分のみならば、他の共有者の同意を得ずに単独で売却ができます。そのため、他の共有者に黙って持分を売却しても、法的に罰せられるようなことはありません。 ただし、自由に共有持分を売却できるとしても、他の共有者に事前報告したほうが無難です。自分の持分を売却した相手が、他の共有者からみて売却した人が面識が無い人(または法人)ならば、困惑や不満の声があがるかもしれません。 他の共有者に事前報告していた場合は、その共有者が直接自己に共有持分を売るよう請求してくる可能性もあります。自分が納得する金額で売却できるのなら、双方とも円満に手続きが進められるはずです。 他の共有者との関係が悪化する事態に発展しないよう、前もって持分の売却を伝えておくと良いでしょう。
専門買取業者に売却する 他の共有者や第三者へ、早急に自分の持分を買い取ってもらうようにお願いしても、納得のいく売却価格が決まらない場合や、話し合いが難航する場合もあります。これでは、いつまで経っても売却先が決まりません。 そのようなときには、共有持分買取業者に買い取ってもらうことを検討しましょう。この業者に持分を売却する際は、まず不動産の査定をしてもらい、金額を提示してもらいます。 提示金額に自分が納得した場合、契約締結後に共有持分の名義を書き換え、売却代金を得ます。 共有持分買取業者へ売却すれば迅速に手続きが進みます。査定から決済までが短く、数日で現金化できることもあります。 ただし、共有持分買取業者への売却価格は、相場よりも低くなる場合がほとんどです。他の共有者や第三者が提示する買取価格より業者の買取価格が高い場合や、いち早く持分を売却したい場合に有効な方法です。 被相続人が不動産を現金に換えておく 被相続人(故人)の財産の大部分が不動産という場合、相続人が複数いれば遺産分割で揉めるリスクも出てきます。 また、相続人間で共有不動産として相続しても、各相続人が既に独立して住居がある場合、誰もその共有不動産を使用せず、放置されて空き家となるおそれがあります。 そのため、被相続人となる方が高齢を理由に、例えば長男家族と同居する、有料老人ホームへ移る、というタイミングで土地や建物を売却しておけば、相続後に相続人に起こり得る共有持分の売却トラブルも発生しません。 現金化しておけば各相続人に均等な配分が可能なので、被相続人が前もって売却する方法も予防策の一つといえます。 専門家に相談してみる 共有不動産そのものを売却するにしても、共有持分だけを売却するにしても、後々トラブルが無いように専門家へ相談するべきでしょう。 自分が被相続人の立場なら、将来相続人が共有不動産や共有持分の問題で困らないよう、先ずは多くの人にとって相談しやすい「相続診断士」に相談してみましょう。相続診断士とは有資格者であり、相続に関する知識を活かし、いろいろな相続の悩みに適切なアドバイスを行う専門家です。 相続診断士の中には弁護士や行政書士といった士業資格を有している人もいます。また、ケースに応じて士業専門職の方々へ橋渡しをしてくれることでしょう。 一方、相続発生後に共有不動産の権利問題が起きたら、相続人達はその問題に詳しい弁護士へ相談してみるのも良い方法です。第三者である弁護士に介入してもらえば、相続人間で共有不動産の取り扱いについて冷静な話し合いが期待できます。
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