フランス人インフルエンサーのクララ・ブランが手掛ける、美濃焼の伝統技法を取り入れたブランド「ATELIER ROUGE」
フランス人インフルエンサー・モデルとして、YouTubeなどで日本文化を紹介するとともに、現在は広告代理店で勤務の傍ら、ファッションブランドのプロデュースを務めて注目を集めているのが、クララ・ブランさんだ。 総フォロワー数が約80万人の彼女がプロデュースしている「ATELIER ROUGE(アトリエルージュ)」は、美濃焼の技法に着目し、「日本の美意識である『わびさび』とフランスのミニマリストの美学の融合」を目指したブランドとなっている。
そこで今回、クララ・ブランさんに、日本文化に興味を持つようになったきっかけから、「ATELIER ROUGE」での活動、そこで感じた日本のものづくり、そして今後の取り組みまで伺った。
「日本オタク」になった理由
ーはじめに、日本に興味を持ったきっかけから教えてください。 もともとは13歳のときに「ヨウジ・ヤマモト」のショーを見て感動したことがきっかけです。母の友人がパリの「ヨウジ・ヤマモト」で仕事をしていたことから、招待をしてもらったんです。 当時のパリ・ファッションウィークはフェミニンなデザインが多いイメージでしたが、そのなかで真っ黒な色づかいで、デザインはアンシンメトリー、メイクもダークという、今まで私が見たことのない女性の美しさが表現されていました。「どこの国のデザイナーなんですか?」と聞いたところ、日本人デザイナーであることを知りました。 そこから日本について調べ始めたところ、フランスとはまったく違う文化に惹かれて「日本ってすごく面白い!」と「日本オタク」になりました。 「ヨウジ・ヤマモト」をはじめとした日本のファッションはもちろんですが、『源氏物語』や『枕草子』を読んだり、夏目漱石や三島由紀夫の作品も読んだりするようになり、日本の伝統文化や歴史に魅了され、恋に落ちて、それが今でも続いています。大学時代には日本への留学も経験しました。 ーその後、Louis Vuitton本社の勤務からキャリアをスタートしたそうですね。 大学院でラグジュアリーブランドなどについて学んだこともあり、最初のキャリアとしてルイ・ヴィトンのフランス本社で働くことにしました。 でも、やっぱり日本が恋しすぎて、5年前に日本の広告代理店「monopo Tokyo」に転職することに決めたんです。