イーサリアムETF、承認
SEC(米証券取引委員会)は、イーサリアム(ETH)現物ETF(上場投資信託)の最終承認を行った。アメリカでは、時価総額第2位の暗号資産(仮想通貨)であるイーサリアムに、より多くの人が取引しやすい金融商品を通じてアクセスできるようになった。 この決定は、イーサリアムETF承認をめぐる数年のプロセスを締めくくるものであり、1月のビットコイン(BTC)ETF承認に続くもの。イーサリアムをETF化することで、従来の証券口座を通じた売買が可能になり、伝統的な投資家にとってもより受け入れやすいものとなり得る。1月にデビューしたビットコインETFは、数十億ドルの投資を集めている。 数週間前まで、承認は確実視されていなかった。しかし5月下旬、SECは長い沈黙の後、突然、ETF発行希望者と接触し始めた。そして5月23日、SECは重要な申請を承認、今回の完全な承認への道を開いた。 「我々は今、暗号資産ETF時代に完全に入った」と、ビットワイズ(Bitwise)の最高投資責任者、マット・ホーガン(Matt Hougan)氏は述べた。 「投資家は、低コストのETP(上場取引型金融商品)を通じて、流動性の高い暗号資産の70%以上にアクセスできるようになった」 ヴァンエク(VanEck)のデジタル資産責任者、カイル・ダクルーズ(Kyle DaCruz)氏は「2021年にイーサリアムETFを最初に申請した当社は、投資家はアクセスしやすく、馴染みのある手段でイーサリアムに投資できるべきだと長らく考えてきた」と語った。 「ビットコインがデジタルゴールドなら、イーサリアムはオープンソースのApp Storeであり、ブロックチェーン技術を活用する数千ものアプリケーションへの投資の入口だ」
イーサリアム価格へのインパクト
1月に承認され、取引がスタートしたビットコインETFは、資金流入のスピードではETP史上、最も成功した商品となった。ビットコイン価格は、わずか2カ月で58%以上上昇し、史上最高値を更新した。 一部のアナリストは、イーサリアムETFは、原資産であるイーサリアムの価格を6500ドルまで押し上げると予測しているものの、資金流入は、ビットコインETFほど多くないとしている。 調査会社Steno Researchは、イーサリアムETFは、最初の1年間で150億ドル~200億ドルの資金を集めると予測している。これは、ビットコインETFが7カ月あまりで集めた資金とほぼ同じ。同社のレポートによると、イーサリアムにはビットコインが獲得した「先行者利益」がなく、「デジタルゴールド」という信念のような強い物語性もないとしている。 |翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:Nikhilesh De/CoinDesk|原文:Ethereum ETFs Approved by SEC, Bringing Popular Funds to Second-Largest Cryptocurrency
CoinDesk Japan 編集部