【給与が下がったときの天引き額】職場の事業縮小で残業がほぼなくなる見込みです。残業代がなくなったら社会保険料も安くなりますか?
残業代がなくなったら社会保険料は安くなる?
社会保険料には、「定時決定」と「随時改定」の2つのタイミングでの見直しがあることを解説しました。 「定時決定」では4月、5月、6月の3ヶ月における残業代も含めた報酬月額の平均を基準に、標準報酬月額が求められます。そのため、基本給や諸手当も含めた4月から6月の給与のうち、残業代が0円となることで、標準報酬月額が1等級以上下がれば、社会保険料も安くなる可能性があります。 なお、標準報酬月額が1等級以上下がることで、社会保険料が実際に安くなるのは、定時決定で見直しのあった年の9月からとなります。 また、社会保険料の見直しには「随時改定」もありますが、随時改定が行われる条件の一つは「固定的賃金に変動があった場合」です。残業手当は固定的賃金ではないため、残業代だけが大きく変動し仮に0円となることがあっても、基本給などの固定的賃金に変動がなければ、随時改定での社会保険料の見直しは行われません。
まとめ
社会保険料は、残業代も含めた給与によって、その保険料が計算されます。基本的には年1回の見直しがされますが、残業代に加えて基本給や住宅手当といった固定的賃金にも変動が生じ、その結果として報酬額が大きく変動した場合には、随時改定での見直しがされる場合もあるでしょう。 ただし、見直しがされても、実際に天引きされる社会保険料に反映されるまでに数ヶ月のずれがあることは、覚えておきましょう。 出典 全国健康保険協会(協会けんぽ) 令和6年度保険料額表(令和6年3月分から) 厚生労働省 雇用保険料率について(令和6年度の雇用保険料率) 日本年金機構 定時決定(算定基礎届) 日本年金機構 随時改定(月額変更届) 執筆者:小山英斗 CFP(日本FP協会認定会員)
ファイナンシャルフィールド編集部