頑固な便秘を改善!自分でできる「腸もみ」を専門家がレクチャー
腸内環境の良し悪しがメンタルにも影響を及ぼすという、脳と腸の蜜月関係=“脳腸相関”。体のためにも心のためにも、腸をもっとキレイにするには? 腸内洗浄専門家の齊藤早苗先生に、毎日のセルフケアとして取り入れられる“腸もみ”について教えてもらいました。体の内側からだけでなく、外側からもアプローチすることで、より腸内環境が整いやすくなるのだとか! 【画像】体の内側からもケア!おすすめ腸活アイテムまとめ
頑固な便秘を改善する腸もみは?
――頑固な便秘の人におすすめの腸もみを教えてください。 齊藤先生:そうですね。トイレでさする腸もみをやるのが効果的だと思います。2つ紹介するので、組み合わせてやってみてください。 まずは腸全体を刺激する腸もみからお伝えします。トイレに座り、出す準備をしたら、息を一度吸い、吐きながらギュッと左に捻ります。そこで深呼吸を10回します。吐きながら正面に戻り、次は右側も同じように行います。これをもう1セット繰り返し正面に戻ります。次に腰に手を当て、グッと腰を後ろに引いて、骨盤が倒れるようにしたら5秒間キープしてください。元の位置に戻したら、お腹が伸びるように前傾姿勢になり5秒間キープし元の位置に戻します。これを3回繰り返してください。
齊藤先生:次に紹介するのは、仕事が忙しくて晩ごはんが21時を過ぎてしまったり、夜更かしをして胃腸に食べ物が残っている方にオススメの腸もみです。トイレに座り、出す準備が整ったら、自分の内臓を手のひらで挟んでいきます。まずは肋骨の下あたりにある胃を、両脇腹から中央に向かって寄せるように挟んだら5秒間キープします。おへその少し上、おへそ、下腹も同じように行います。これを2回繰り返します。もし挟んでいるときに便意がきたら、その場所を挟み続けてください。
それでも治らない便秘…薬は使ってもいい? おすすめの食事は?
――便秘の人は薬に頼りがちですが、薬を飲むことは腸への負担になりますか? 齊藤先生:負担はかかりますが、4~5日出ないときに放置しておくと腸が伸びてしまうので、薬は賢く使ったほうがいいとは思います。ただ腸は黙っていても動く場所なので、止まってしまうこと自体が異常事態ではあるんです。原因は人によって違いますが、いちばん大きいのは食事ですね。何を食べているのかはもちろん、いつ食べているのかというのもすごく重要です。消化管には動くリズムがあるので、それに合わせて食べないといけないんです。それから運動も重要です。ただ運動が苦手な人は代用として、腸揉みをするのは効果的ですね。 ――腸にとってベストな食事のタイミングをぜひ教えてください! 齊藤先生:夕飯を遅い時間に食べると胃の中に物が入った状態で寝ることになるので、腸を掃除する動きが起こりづらくなってしまいます。寝る4時間前までには食事を済ませるのがおすすめです。胃の働きは個人差が大きいので、寝るときに小腹がすいている状態。理想はグ~ッ! と胃が鳴るくらいです。ほぼ空腹の状態ですね。人間は日中活動をして夜に休むようにできているので、寝ている間に腸の掃除をするんですよ。胃と大腸の間にある6メートルくらいの細い管では、日中食べたものが分解されてドロドロになった液体の養分を吸収し、残りカスを大腸に送る動きをしています。ただ、夜遅い時間に何か食べてしまうとこの動きが起きづらくなってしまい、朝になっても便ができていない状態に陥ってしまうのです。 それからS状結腸という便がたまる腸は、ある程度便の容量がたまってくると、重さで直腸の方にうんちが落ちるようになっているんです。それが起きず、便のかさが足りない状態だと、いくらお尻の先っぽにうんちがたまっていても出ないわけですよ。S状結腸や直腸がいちばん動きやすい時間帯は、朝起きてから1時間以内と言われているので、そこで朝食をとるのも重要です。胃は司令塔なので、食べ物が入って胃が動くと全部の腸がずるずると動くんですよ。 腸内洗浄専門家 齊藤早苗(さいとうさなえ)先生 腸内洗浄専門家、インナー美人アドバイザー。看護師として大学病院などに勤務した後、アメリカで腸内洗浄の研修を受け、開業ライセンスを取得。20年以上にわたり、2万人以上の頑固な便秘やぽっこりお腹に悩む女性に、コロンハイドセラピーを施しながら、腸ヘルスケアの指導を行なっている。現在は対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座に勤務。(女性ライフクリニック銀座コロンハイドロセラピーHP (https://www.xn--pcka3d5a7l461rvl1bkkap56m.com/) 取材・文/菊池美里 イラスト/佐藤 彩 企画・編集/木村美紀(yoi)