森のなかにDIYした小さな家で、毎月約11万円で暮らす。その男性は持続可能な経済的自由を得た(海外)
3年前、アンダース・ボイセン氏は都会でのフルタイムの仕事をやめ、森のなかにある小さな家に移り住んだ。 【全画像をみる】森のなかにDIYした小さな家で、毎月約11万円で暮らす。その男性は持続可能な経済的自由を得た 生活や仕事はこうでなければならない、という社会の期待に応え続けるのにうんざりしたからだ。 しかし、本人がBusiness Insiderに語ったところによると、安定した収入から不規則な収入への移行は大変だったそうだ。 デンマークで暮らすアンダース・ボイセン氏(36歳)が都会を離れて森のなかの小さな家に移り住んでから3年がたつ。そして、かつてないほど人生に満足している。 社会規範を打ち破り、自分の思いどおりの生活を築きたいという願いから、ライフスタイルを劇的に変える決断をした。 デンマークのミレニアル世代の多くがそうであるように、ボイセン氏も大学へ進学し、英語学とビジネスコミュニケーションで学士号を、さらには、経験経済の分野で修士号を取得した。卒業直後の1年は当時の彼女とともにデンマークで2番目に大きい都市であるオーフスにて、3部屋のアパートメントで暮らしていた。 彼女と別れたのち、転居と転職を何度か繰り返した。そして最終的には地元自治体で職を得た。9時5時の安定した仕事で、快適な暮らしが送れる充分な収入があった。 それなのに、生活が息苦しく感じられた。 「今の私ぐらいの年齢の者は、1日中コンピューターの前に座って働き、郊外に住み、2人の子を育て、カーポートには2台の車があるのが普通、という考え方が広がっている」と、ボイセン氏はBusiness Insiderに語った。「ずっと前から、そんなのバカバカしいと感じていた」 自分はいい暮らしをしていると世間に示すためだけに消費する必要があると感じ、そのような圧力は自らの環境理念と相容れないものだった。 「人と違うことをしてはならない感覚にも、これが普通の生活だという押しつけがましい共通認識にも幻滅していた。私は満たされていなかった」と、ボイセン氏は語る。 ボイセン氏は、自然に囲まれたシンプルな暮らしを望んでいた。そしてそこに、コロナ禍がやってきた。 「毎日スクリーンの前にじっと座っているだけ。私の仕事で直接的な影響を受けた人はひとりもいなかった」と、ボイセン氏は言う。「同時に、私は世界を見て、多くの人がそれぞれの人生で新しい何かを始めようとする新時代が始まっていることに気づいた。私も、その1人になろうと思った」