「空挺隊員がタクシー運転手を刺し殺した」韓国現代史上、最も悲惨な光州事件…市民や学生に多くの死者が出た事件の始まりとは
市民たちが学生のデモに加わる
5月18日朝、全南大学正門前に学生たちが集まってきた。図書館に行くとか、学校に置いてきたカバンなどを取りに行くという学生たちだった。正門には完全武装した陸軍部隊の空挺隊員8~9人が立ち、学内には入れないから戻れと命令した。 学生の数が次第に増加し、200~300人になった時、「休校令を撤回しろ!」「戒厳令を解除しろ!」「全斗煥は退陣せよ」などのスローガンを叫び始める。 これに対し、空挺部隊側が「即時解散しなければ武力で解散させる」と警告したので、学生たちは大声で歌って対抗した。そこへ突然、「突撃!」という声がかかり、同時に空挺隊員が学生たちの中に突っ込んできて、棍棒を打ち下ろし始めた。 学生たちは散り散りになって路地に逃げ込みながら、投石で対抗したが、空挺隊員は殺傷用棍棒で殴打し、血だらけになった学生を引きずって連行した。学生たちは錦南路(クムナムノ)に移動した。 デモ隊は光州の中心街である道庁前広場を目指して行進した。市民に事情を知らせるために、「非常戒厳令を解除せよ!」「金大中氏を釈放しろ!」「全斗煥退陣せよ!」「休校令を撤回しろ!」などのスローガンを叫んだ。 カトリックセンター前に集まった500人以上の学生たちは座り込み、数千人の市民が集まってきたため、市内の交通は遮断された。そこに、戦闘警察が飛びかかり、催涙弾が炸裂。逃げる学生たちを警察が追いかけ捕まえる。 それを舗道脇で見ていた市民たちが警察の行為に抗議の声を上げる。警察は学生より多かったため、学生はバラバラに路地に散ったが、再び集まり、スローガンを叫び、デモを開始した。多くの学生が捕まる中、逃げ延びた者たちは執拗にデモを続けた。 光州の中心地である錦南路と道庁前噴水台は、その周辺に公共機関や主要施設が集中しており、バスや多くの車両が通過する。したがって、道庁前で起こった出来事は、あっという間に市内全地域に伝達され、デモは全市街地に拡大した。 ヘリコプターがデモ隊に対して銃撃を始めた。ヘリは学生デモ隊の動きを警察に知らせていたので、警察は先回りして待ち構えていた。 そして午後1時頃、20台以上の軍用トラックが集結し、完全武装した空挺隊員らが投石防御用の鉄帽をかぶり、帯剣と棍棒を持ち、市内各地を回って鎮圧を始めた。
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