中国の自動運転「ホライズン・ロボティクス」が上場、時価総額1兆円に
北京を拠点とする自動運転テクノロジー企業「ホライズン・ロボティクス(地平線機器人)」が10月24日、香港市場に上場し、時価総額が69億ドル(約1兆円)に達した。自動運転システム向けのソフトウエアとハードウエアを提供するホライズンの株価は、IPO価格の3.99香港ドルから2.8%上昇し、4.1香港ドルで初日の取引を終えた。 同社は、この上場で54億香港ドル(約1000億円)を調達した。 香港市場で今年最大のIPOとなった同社の上場は、バイドゥやアリババ、中国の寧波市の政府系ファンドを含む多くのコーナーストーン投資家を魅了した。ホライズンは、調達した資金を主に今後5年間の研究開発費に充てると述べている。 「当社の香港での上場は、国際市場への進出に向けた重要な第一歩だ」と同社の共同創業者で会長兼CEOのユー・カイは、24日の上場セレモニーで語った。 ホライズンは、上場前に多くの著名な投資家から資金を集めており、その中には、中国の国有自動車メーカーの上海汽車(SAIC)や英資産運用会社ベイリー・ギフォード、インテルキャピタル、リチャード・リュウの5Yキャピタル、チャン・レイのヒルハウス・インベストメント・マネジメント、ニール・シェンの紅杉中国(旧セコイア・チャイナ)などが含まれる。 また、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、2023年に20億ドル(約3000億円)以上を投じてホライズンとの合弁会社を設立し、経営権の60%を取得した。この合弁会社は、中国で販売されるVWの車両向けに自動運転テクノロジーを開発している。 ホライズンの他の投資家には、韓国のメモリチップ大手のSKハイニックスや、ジャック・マーが率いるYFキャピタル(雲鋒基金)、車載バッテリーメーカーのCATL、中国のEVメーカーのBYDなどが挙げられる。 2015年にホライズンを共同創業したユーは、かつてバイドゥの自動運転プロジェクトを立ち上げたAI科学者で、バイドゥの2名の元同僚たちと会社を立ち上げた。「ホライズン・スーパー・ドライブ」と呼ばれる同社の自動運転システムは、都市部や高速道路、駐車場などのシナリオで人間と同様の自動運転を実現するよう設計されている。4月にリリースされたこのシステムは、レベル4の自動運転をサポートしていると目論見書に記載されている。