「洋服はワンピ1枚だけ」“持たない暮らし”9年目の主婦、驚きの「なんにもない部屋」
モノを厳選すれば家事時間も短縮できる
Nozomiさんのモノ選びの基準は6つ。その考えは、消耗品にも及ぶ。例えば、ラップは巻きの長いもの、トイレットペーパーは芯なし、シャンプー類は家族4人で共有でき、リンスやボディソープにも代用できるもので一元化している。 「買い替えの頻度が少なくて、モノ自体の量が減らせるかどうかを重要視しています。ラップを買い足すというのは、些細(ささい)な手間かもしれませんが、家事の1つ1つは、そういった小さいことの積み重ね。 やらなくてよい作業や手間をコツコツとなくしていくことで、かなりの時間を浮かせることができます」 そんなモノも時間も効率よくコンパクト化しているNozomiさんだが、家族の反応は? 家族がいてもモノが“極少”の暮らしを保つには、どんな秘訣(ひけつ)があるのか。 「前述したとおり、夫は比較的“モノ持ち”派。“いつか使うかも”と思ったものは残しておこうと考えるタイプです。それを理解できず、夫の私物を“ずっと使っていないし要らないだろう”と勝手に捨ててしまい、もめたこともありました」 と、過去の失敗を話してくれたNozomiさん。 それ以降、夫婦間でも価値観が違うことを意識し、家族で共有するモノに手をつけるときは、相談しながら減らすようにしたと話す。 また、キッチンなどにも“夫スペース”を設け、そこだけはどんなにモノであふれていても手出しをしない聖域に。お互いの考えを尊重する工夫をした。 一方、夫にも変化が。 「“減らしたら?”と言うことはありませんが、以前はクローゼットからあふれていた服が、今ではきちんと収まって、余白があるほどに減っています。 衣類など個人の持ち物が究極に少ない私を間近で見て、“モノが少なくても生活に支障はない”と感じてくれたり、不要なモノがない部屋を気持ちいいと感じてくれたからかなと思います」
旅行で気づいた!モノは少なくても大丈夫
“スッキリした部屋=心地よい”を家族で自然と共有できていることが、今の部屋の維持につながっているとNozomiさんは話す。 「モノが極端に少ないと“子どもがかわいそう”とか、モノトーンの部屋で“子どもの目が悪くなるのでは”といったコメントをSNSでいただくことがありますが、わが家の子どもたちは、いたって普通(笑)。 そのとき遊びたいモノを自由に持ってきて、のびのびと遊ぶ姿を見ていると、子どもこそ何もない広々とした空間を楽しんでいるなと思っています。モノは少なくても子どものおもちゃはありますし、本当にごくありふれた家庭なんです」 では、無理することなく、整えられた部屋にしていくには、何から始めるべきか。Nozomiさんいわく「衣替えや引っ越しのほか、これからの旅行シーズンもモノを見直すチャンス」だとか。 「実は、私がミニマリズムに目覚めたきっかけの1つは旅行でした。独身時代は、必要な最低限のモノをバックパック1つに詰めて、海外旅行へ行くのが趣味だったんです。 足りなくなったら現地で新しい洋服を買えばよいという感覚で、着古したTシャツ1枚だけで出発したことも。そうしているうちに、旅行中、たったこれだけのモノで過ごせるのだから、日常も同じようにいけるんじゃないかなと思うようになりました」 旅行やお出かけでいつも大荷物になってしまう人は、一度、思い切って荷物を最小限にしてみるのがよい。 「究極は財布とスマホ、海外ならパスポートさえあれば大丈夫。“なんとかなる”を体感できれば、モノを手放す不安が減ると思います」 と後押しする。 次に、実際に自宅のモノを減らすときは、“執着のないもの”から手をつけること。 「書類など、要・不要の明確なものは比較的取捨選択がしやすいですが、そうではないものは、関心の薄いものから始めると手放しやすいです。例えば私のように着るものにこだわらない人は、洋服から整理していくのもよいですね」