〔NY外為〕円、157円台後半=5カ月ぶり安値(19日午前11時)
【ニューヨーク時事】19日午前のニューヨーク外国為替市場では、日銀が早期の利上げに慎重な見方を示したことで円売り・ドル買いが進み、円相場は一時1ドル=157円74銭付近と、7月中旬以来約5カ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。午前11時現在は157円65~75銭と、前日午後5時(154円77~87銭)比2円88銭の大幅な円安・ドル高。 日銀は19日の金融政策決定会合で追加利上げを見送った。植田和男総裁は記者会見で「次の利上げの判断に至るには、もうワンノッチ(1段階)欲しい」と述べ、来年1月下旬に就任するトランプ次期米大統領の経済政策などの影響を慎重に見極めたいとの意向を示した。米連邦準備制度理事会(FRB)は前日、今後の利下げペースが鈍化するとの見通しを公表しており、日米の金利差を意識した円売り・ドル買いの流れが加速した。 米労働省が19日発表した新規の失業保険申請は前週比2万2000件減の22万件と、市場予想(ロイター通信調べ)の23万件よりも良い内容だった。米商務省が19日発表した7~9月期の実質GDP(国内総生産)の確定値は前期比3.1%増となり、改定値(2.8%増)から上方修正。ともに堅調な米経済を示唆する内容と受け止められ、米長期金利が上昇し、円売り・ドル買いの流れを後押しした。 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0375~0385ドル(前日午後5時は1.0346~0356ドル)、対円では同163円60~70銭(同160円27~37銭)と、3円33銭の大幅な円安・ユーロ高。