ウエルシア薬局商品本部トップが語る プレミアムヘアケア、プライベートブランド戦略
WWD:プレミアムシャンプーを顧客に浸透させる施策は?
小川:1回使い切り分のサシェを用意すること。価格にハードルがある分、買って合わなかったら、と躊躇するお客さまもいる。しかしサシェを3つ使うと本体の購入につながるというリサーチ結果があり、3個パックを作って販売するなどしている。はじめはウエルシア側からサシェを作るように依頼していたが、今ではサシェがないと売れない傾向があるため、メーカー側がサシェを用意することが多くなった。
PBは新時代に突入 「クリーンビューティ」に果敢に挑戦
WWD:6月には新オリジナルヘアケアブランド「イッツ ワッツ インサイド ザット マターズ(ITʼS WHATʼS INSIDE THAT MATTERS. )」(以下、イッツ)を、7月には「からだウエルシア」から“集結!ほぼ植物の原液美容液”シリーズを発売した。PBの商況は?
小川:ウエルシアホールディングスのPBの売り上げは全体の8.4%を占める。26年度には10%まで拡大する計画だ。今はPB新時代に入った。価格訴求から品質重視への変化があり、今後はナショナルブランドとPBの垣根がより低くなる。品質に加えて多様性といったお客さまが求めるクオリティーを網羅しなければ、売れない、リピートされないと、変化していくだろう。
WWD:求められるクオリティーが上がっている。
小川:PBでは「クリーンビューティ」をコンセプトに掲げ、環境配慮やクルエルティフリーに取り組んでいる。全てのお客さまがクリーンビューティを重要視しているわけではないが、万人ウケを狙っても他のナショナルブランドと差別化はなされない。原料探しから処方まで自社で取り組み、OEMメーカーに全て委ねることもしない。だからこそ自信を持って販売している。また、ウエルシアでは日々お客さまの声を吸い上げて対応する。ホームページ上のお客さま投稿フォームから毎月1000件ほどのご意見があり、店頭のハガキやコールセンターの声も含め、AIで分析してコメントを整理し商品開発に生かしている。