ウエルシア薬局商品本部トップが語る プレミアムヘアケア、プライベートブランド戦略
「無言の販売部員」ポップによる「お客さまが買い物に失敗しない」売り場作り
WWD:成分買いのニーズに応えるためにどのような施策をしているか。
小川:ウエルシアの四大方針の一つにカウンセリング営業がある。しかしそれができない状況に合わせて店頭ではポップでカバーしている。これまでは手書きだったがどうしても手間がかかってしまうため、現在は本部で薬機法のチェックも併せて制作している。対応している成分はビタミンCのほかにもヒアルロン酸やアゼライン酸など数えられないほど。特にシートマスクやスキンケアは成分を書いていないと伝わりづらいので表記している。
WWD:ポップを活用した取り組みは奏功しているのか。
小川:消費者の得られる情報が増えている中、カウンセリングの代わりとしてポップが無言の販売部員になっている。この流れはお酒や食品にも及んでいて、産地や原料を記載している。おでんにはカロリーをポップで表記し、プロテインなどの商材も詳しく明記する。コンセプトである「お客さまが買い物に失敗しない」売り場作りが軸になっている。キャプションが多かったり細かすぎたりすると読まない。社内でもポップのデザインの規定を設けて分かりやすさにこだわっている。
WWD:デジタルでの施策は?
小川:メーカーと従業員が商品を紹介するウエルシアテレビという取り組みがある。1カ月かけて同じブランドを紹介したり、デジタルサイネージで訴求したりする。この取り組みの有無で売り上げに倍以上の差が出てくる。特に新商品はいち早く知ってもらうことが鍵だ。
「プレミアムシャンプーといえばウエルシア」な豊富な品ぞろえ
WWD:コロナ禍を経てヘアケアカテゴリーの注目も高まってきた。
小川:ウエルシアでは1700~1800円前後のプレミアムシャンプーが好調だ。「ボタニスト(BOTANIST)」がシェアを取り始めた19年ごろから市場は盛り上がりを見せているが、ウエルシアはその前から先行して注力していた。今はプレミアムシャンプーの売り上げのシェアはウエルシアのシャンプー全体の6割を占める。その結果、多くのブランドでウエルシア先行発売を実施している。