今や「老眼」は治す時代に?眼科専門医・平松類「アメリカでは目薬も認可。ただし期待するほどのものでは…」
◆手術でも老眼は治せる? 目薬に期待できないとすれば、手術で治すことはできないでしょうか。実は老眼を治す手術は日本でも受けられます。 その1つがレーシックです。一般的には近視の治療法として知られていますが、乱視や老眼のレーシックもあります。 レーシックの基本原理は、目の表面の角膜と呼ばれる部分を削って、屈折率を変えるというものなので、老眼にも応用できるのです。 角膜を削らなくてもすむ眼内コンタクトレンズ(ICL)の手術もあります。これは目の中に人工のレンズを入れるので、角膜を削る必要はありません。 ただしレーシックもICLも保険がきかないので、けっこう治療費がかかります。
◆白内障の手術でも老眼が改善できる 白内障の手術でも老眼を治すことができます。 白内障の手術では、にごったレンズを取り出して、代わりに人工レンズを入れますが、そのときに多焦点レンズを選べば、近くも遠くも裸眼で見られるようになります。 ただしこれも一部自費診療になります。 保険でできる白内障の手術は単焦点レンズなので、人工レンズを遠くに合わせるか、手元に合わせるかを選択することになります。 その場合、遠くに合わせたときは手元を見るメガネが必要になりますし、手元に合わせたときは車の運転など遠くを見るときのメガネが必要になります。 ※本稿は、『名医が教える 新しい目のトリセツ』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
平松類