闇バイト強盗の「流れ」と「弱点」は? いま必要な「攻めの防犯対策」をプロが語った
闇バイトによる強盗や特殊詐欺といった犯罪被害が増えている昨今、「我が家は大丈夫か」と心配している方も多いでしょう。そんな悩みに応えるため、パナソニックがメディア向けに「防犯力スキルアップ体験会」を開催しました。体験会では、防犯アドバイザー・佐々木成三(なるみ)さんが登壇し、いまの犯罪の傾向やそれを防ぐための対策について、デモを交えた解説が行われました。 本稿ではその体験会の模様をリポート。佐々木さんが提唱する「攻めの防犯対策」とは何か? いま導入すべき防犯アイテムとその活用法についてお届けします。
手荒な手口の犯罪が増加。犯人を威嚇する「攻めの防犯対策」が必要
佐々木さんは埼玉県警察本部刑事部捜査第一課で10年勤務したのち、防犯アドバイザーとして、講演やコメンテーターなどの活動を行っています。近年急増する闇バイトによる強盗などの現場取材も重ねており、最新の犯罪の傾向に精通しています。 その佐々木さんによると、闇バイト強盗の特徴は、犯罪の「素人」による犯行であること。遠く離れた指示役からの命令によって犯行に及ぶ彼らは、犯罪行為に慣れていません。 手慣れた犯人であれば、犯行の形跡を残さないよう慎重に行動しますが、闇バイトグループは素人ゆえに乱暴な手口をとることが多くなります。防犯カメラの設置などの対策を施している家であっても、犯人がそれに気付かないまま、被害の対象となってしまうことも。佐々木さんは「起こり得ないことが起こる時代」だと語ります。 ただし、闇バイトグループには弱点があります。それは、意志が弱いことです。闇バイトで募集されたメンバーは、その場で顔を合わせたばかりの者同士。仲間意識は希薄です。また、彼らは指示役の命令に従って動いているにすぎず、自らの強固な意志で行動しているわけではありません。それゆえ、その心をくじくことは難しくはないのです。 「録画するだけの監視カメラでは不十分です。人がカメラの近くにいることを人感センサーで検知して、照明や音でカメラがあることを伝える必要があります。実際、先日名古屋で、9台の防犯カメラを設置していた家が強盗に遭いました。これらの防犯カメラには人感センサーがついていたそうですが、この家ではそのセンサーを切っていました。犯人を威嚇する『攻めの防犯対策』が重要なのです」(佐々木さん)