つくばエクスプレス、全車両に防犯カメラ設置へ トラブル抑止に期待
つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区)が、すべての車両に防犯カメラの設置を進めている。列車内のセキュリティー向上が狙いだ。 防犯カメラは長さ約20センチ。1両に4台、天井の蛍光灯の端に取り付ける。運行を管理する総合指令所でリアルタイムの車内映像を見ることができるのが特徴だ。 車内で深刻なトラブルが起きた場合は、乗客が車内にあるボタン式の非常通報器で乗務員に通報する。乗務員の報告を受けた総合指令所が映像を確認し、必要に応じて警察に連絡。最寄り駅での乗客の避難などを検討する。 これまでも一部の車両に録画式の防犯カメラが設置されていたが、順次、交換する。11月20日から始まり、今年度中にすべての車両に取り付ける予定だ。 新都市鉄道によると、昨年度の車両内での痴漢や盗撮、乗客同士のトラブルなどは73件。コロナ禍だった2020年度の18件をのぞき、この5年間では毎年50~70件報告されており、設置による抑止が期待されている。 21年に都内の私鉄で乗客が車内で切りつけられる事件が相次いだことを受け、国土交通省が対策を強化。大都市圏の鉄道各社は車両内への防犯カメラの設置を進めている。(鹿野幹男)
朝日新聞社