【高校バスケ】新監督に新ユニフォーム、心機一転で復活を期す市船橋「“シンプルに強い”を復活させる」
新監督にOB星野氏が就任。“シンプルに強い市船”の復活を
千葉県の名門・船橋市立船橋高校男子バスケットボール部は今、変革期の最中にある。 昨年はインターハイとウインターカップ共に不出場と苦しい1年を過ごした中で、新監督に同校OBで、かつて千葉ジェッツふなばしでも活躍した元プロ選手・星野拓海コーチが就任。星野コーチは現役引退後に教師となり、男子部のコーチになる以前は市船橋女子部のコーチを務めていた。本格的に男子部を指導し始めたのは昨年のインターハイ予選からで、監督を引き継いだのはウインターカップ予選が終わり、新チームに切り替わるタイミングからだ。 星野コーチは監督就任にあたって、2つのテーマを掲げた。それが、「周囲に感動を与えられるチームであること」と「“シンプルに強い市船”を復活させること」だ。 「私がアシスタントでベンチに座っていたときに思ったのが、以前ならもっと“シンプルに強い市船”だったなということ。今はいろいろな技術が向上しているからこそ、何だかスマートにやり過ぎてしまっているというか。泥臭くないなと男子部に戻ってきたときに思ったんです。シンプルだけど強い市船だったからこそ、私の代も勝つことができていたと思います。今はそれよりも技術が先行してしまっている。時代は繰り返すと私は思っていて、今はシンプルな強さにフォーカスしているチームが少ない気がしています。当たり前のことをどれだけ一生懸命やれるか、それによって感動を与えられるチームになれるかというところ追求しながら、でもプレーではガツっとぶつかって泥臭くリバウンドを取るような、『やっぱり市船は強いな』と思われるチームにしたいですね」 スマートなプレーをする選手が増えてきた現代だからこそ、あるいは星野コーチのコンセプトは時代に逆行しているかもしれない。だが、バスケットボールはフィジカルコンタクトの多い競技ゆえ、どんな時代でも勝負どころではいかに球際への執念を見せられるか、フィジカルにプレーできるかなどが勝敗を左右する。日本に限らず、それは歴史が証明していることだ。 もちろん、原点に立ち返るだけではなく、そこに現代バスケットの要素も取り入れる。長身選手が少ない分、5アウトでより得点の期待値が高いゴール付近の得点、もしくは3Pシュートを多く打ち、逆に期待値が低いとされるロングツーやミドルレンジジャンパーを減らす。この戦い方を確立しつつある。