中学部活動の「ヒップホップ禁止令」SNS上で議論に…「理由が納得できない」「説明が不十分」の声も
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。6月19日(水)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「中学校の部活動で『ヒップホップ禁止令』SNS上で議論に」。情報社会学が専門の城西大学 助教・塚越健司さんに解説していただきました。
◆SNSで話題になった中学校の「ヒップホップ禁止」
東京都千代田区立・麹町中学校が、ダンス部に対して出した「ヒップホップ禁止令」が物議を醸しています。朝日新聞デジタルによりますと、同中学校のダンス部の部活動をめぐって、学校側による事実上の「ヒップホップ禁止令」に生徒や保護者らが反発しているということです。 ユージ:塚越さん、まずはこの問題の経緯を教えてください。 塚越:朝日新聞が保護者らに取材した記事によりますと、まず麹町中のダンス部ではここ数年、5月の体育祭と10月の文化祭でヒップホップダンスを披露していました。部員は週に2回、ヒップホップ専門のコーチから指導を受けていたということです。 それが去年になって学校側が「今年から体育祭でダンス部のヒップホップ発表の場は設けない」と決定。さらに今年3月には、秋の文化祭でもダンス部の発表はしないと決定しました。4月からは活動内容を「創作ダンス」に変更すると学校が決定したということです。 これにショックを受けた部員数十名が「ヒップホップを踊りたい」と訴えたが決定は変わらず、保護者たちが学校に抗議するということになりました。その結果、3年生が引退する一学期末の7月までは、ヒップホップの自主練習を週1回だけ認めましたが、その後は自主練習も不可となり、退部する生徒もいるということです。 朝日新聞によれば、麹町中学校の校長は取材に対して、「体育祭や文化祭でダンス部がヒップホップを踊ることに対し、さまざまな意見があった」。そして「ダンス部は運動部なので公式の大会を目指すべきだと思い、創作ダンスに変更した。ヒップホップは部活でなくてもいいと思う。方針を変更するつもりはない」などと答えたとのことです。 これに対して保護者の方々は、部活動は生徒の自主的な活動とする千代田区の「運動部活動ガイドライン」があり、学校の対応はこれに反するとして、千代田区の教育委員会に対して、7月12日までの回答を求めているとのことです。 ちなみに、ダンスが中学校の保健体育で必修になったのは2012年です。ヒップホップは創作ダンス、フォークダンスとともに「現代的なリズム表現のダンス」として新学習指導要領の「中学保健体育科」の資料にも掲載されています。